Armがモバイル向けの新プラットフォーム「TCS23」を発表 ゲームやリアルタイム3D体験などに寄与
Armは5月29日、モバイルコンピューティング向けの最新プラットフォーム「Arm Total Computeソリューション2023(TCS23)」を発表。没入感あふれるゲーム、リアルタイム3D体験、次世代のAIアプリケーションを実現するという。第5世代GPUアーキテクチャを採用したArm Immortalis GPU、Armv9ベースの新しいCPU群、開発者向けによりアクセスしやすいソフトウェアを提供するための新たな機能拡張が含まれる。
Armは5月29日、モバイルコンピューティング向けの最新プラットフォーム「Arm Total Computeソリューション2023(TCS23)」を発表した。没入感あふれるゲーム、リアルタイム3D体験、次世代のAIアプリケーションを実現するという。
TCS23には第5世代GPUアーキテクチャを採用したArm Immortalis GPU、Armv9ベースの新しいCPU群、開発者向けによりアクセスしやすいソフトウェアを提供するための新たな機能拡張が含まれる。クライアント事業部門シニア・バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるクリス・バーギー氏は「Armがシリコンからソフトウェアに至るまでモバイルのイノベーションを提供し、大規模なグローバルエコシステムで実現される没入感のあるデジタル体験をサポートしており、今後のモバイルの未来を担っていく」と語っている。
TCS23に含まれる新たなGPU「Immortalis-G720」はGPUのデータの流れを最適化するシェーダ技術「DVS(Deferred Vertex Shading)」を採用し、先代比で性能と効率が15%向上、システムレベルの効率性も40%向上している。
CPUクラスターはArm最速コアとなる「Cortex-X4」や、big(高性能)コアを用いた「Cortex-A720」、さらにLITTLE(低消費電力)コアを用いた「Cortex-A520」で構成される。Cortex-X4の性能は前世代のCortex-X3比で15%向上した。同一プロセスでの消費電力は最新マイクロアーキテクチャによりCortex-X3比で40%低減する。Cortex-A720/Cortex-A520の電力効率も向上。先代(Cortex-A715/Cortex-A515)比でそれぞれ20%/22%向上した。CPUクラスターを制御する「DSU-120」は最大14CPUをサポートする。
CPUとGPUのロードマップに関して、Armはこれまで以上に積極的に注力しており、今後数年間、Krake GPUやBlackhawk CPUなどの主要IPへの投資を重点的に行うことで、パートナー各社が求める演算性能とグラフィックス性能を提供していく方針を示している。
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