Apple、メンタルと目の健康を守る複数の新機能を紹介
AppleはWWDCの基調講演で、ヘルスケアに関する複数の新機能を発表した。毎日の心の状態を簡単に記録できる機能などだ。また、iPadOS 17で「ヘルスケア」アプリがiPadでも使えるようになる。
米Appleは6月6日、開発者向けイベント「WWDC 2023」で、ヘルスケア関連の新機能を複数発表した。ヘルスケア担当副社長であるスンブル・デサイ博士は基調講演で、「メンタルヘルスと目の健康は重要だが、見落とされがちだ。ユーザーに自分の健康状態をさらに深く理解していただくために、新しい洞察を提供する機能を導入できることを嬉しく思う」と語った。新機能は、iOS 17、iPadOS 17、watchOS 10に搭載される見込みだ。
iPadOSにも「ヘルスケア」アプリ
「Apple ヘルスケア」アプリを、iPadOS 17でiPadでも利用できるようにする。iPad、iPhone、Apple Watch、対応するサードパーティ製品で得られるすべての健康関連データを、iPadの大画面で見られるようにする。
服薬の記録と管理、周期記録、メンタル(後述)の記録などをiPadでも直接行えるようになる。
「ヘルスケア」と「マインドフルネス」に心の状態を入力する機能
iOS 17とiPadOS 17のヘルスケアアプリとwatchOS 10のマインドフルネスアプリに、自分の心の状態を入力する新機能が追加される。
ユーザーは画面の多次元図形を操作して「非常に快適」から「非常に不快」の範囲でその日の気分を記録する。
Appleによると、自分の心の状態と意識的に向き合うことは心の回復力を高めるのに役立つという。
また、ヘルスケアアプリでは、うつや不安症の検査を簡単に実施できるようになる。検査結果はPDFに保存し、専門医と共有することもできる。
目の健康のための機能
眼科医によると、子供を近視にさせないようにするには、日中に屋外で長く過ごすことと、端末や本などを目から離すことが役立つという。
watchOS 10で、Apple Watchの環境光センサーを使って日光の下で過ごした時間を測定できるようになる。保護者は、Apple Watchで測定したこの時間の長さを子供と共有するヘルスケアアプリで確認できる。
また、iOS 17とiPadOS 17の新機能「画面からの距離」で、iPadなどの端末からユーザーの目までの距離が30cm未満になってしばらく経つと、画面に警告が表示されるようになる。
この機能は、「Face ID」で使われるTrueDepthカメラの機能を応用したものだ。
その他のヘルスケア関連機能
iOS 17、iPadOS 17、watchOS 10では、服薬機能で、スケジュール設定された薬の服用をユーザーが記録しなかった場合にフォローアップのリマインダーを受け取るオプションを利用できるようになる。
端末内の写真やカレンダー、位置情報などを使って毎日の日記のようなまとめを自動生成する「ジャーナル」アプリがiOS 17で使えるようになる。Appleは、1日を振り返ることもメンタルヘルスに役立つと考えており、ジャーナルもヘルスケア関連機能と位置づけているようだ。
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