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「iPadOS 17」発表 ロック画面を刷新、PDF編集機能の強化も

Appleは6日、「iPadOS 17」を発表した。正式版は今秋に配信される。PDF編集機能の強化や、ロック画面のウィジェット対応、ヘルスケアアプリのiPadでの提供などの新機能が含まれる。

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 Appleは6月6日、開発者向けイベントWWDC2023にてiPad向けOSの最新バージョン「iPadOS 17」を発表した。今秋に配信を開始する。

 PDF編集機能の強化や、ロック画面のウィジェット対応、ヘルスケアアプリのiPadでの提供などの新機能が含まれる。

 6日より開発者向けプレビュー版の提供を開始した。7月にはオープンβ版を公開し、正式版は2023年秋に配信を開始する予定。対応機種は、iPad Pro(第2世代以降)、iPad Air(第3世代以降)、iPad(第6世代以降)、iPad mini(第5世代以降)。

iPadOS 17
iPadOS 17

ウィジェットの強化、ロック画面への設置も可能に

 iPadOS17のロック画面はiPhone同様に、柔軟にカスタマイズできる新たなUI(ユーザーインターフェース)を搭載する。壁紙は時計のフォントの書体なども選択可能となっており、写真の構造を認識してロック画面の時計を“被写体の奥”に配置する機能も追加されている。プリセットの壁紙には新たなデザイン「万華鏡」が追加された。

iPadOS 17
壁紙の内容を引き立てるような時計の配置が可能に
iPadOS 17
iPadOS 17で追加される動く壁紙「万華鏡」

 ウィジェットは情報表示の機能に加えて、簡単な操作をワンタップで行えるようになった。例えばスマート家電の操作や音楽を再生したり、リマインダーの完了したりできる。iPadOSではロック画面へのウィジェットの設置に対応する。

iPadOS 17
iPadではロック画面にウィジェットを設置できる

PDF編集機能の強化

 iPadOS 17では、PDFファイルの編集機能が強化された。メモアプリではPDF対応も強化されている。

iPadOS 17
iPadOS 17ではPDF書類の編集機能が強化された

 PDFをメモアプリ上で全幅表示し、ページをめくったり、Apple Pencilを使ってPDF上に手書きの注釈を書き込んだり、複数のPDFファイルを並べて表示したりといった使い方が可能となる。メモアプリはコラボレーション機能を備えており、Facetimeで接続した他のiPadユーザーとPDFを共同で編集できる。

iPadOS 17
他のiPadユーザーとの共同編集も可能

 また、PDF書類の構造を機械学習で解析し、氏名欄や住所欄などのフォームを自動で追加するオートフィル機能もiPadOS 17で利用可能となる。署名欄にはApple Pencilでの手書き署名や、事前にデジタル化した署名を選択しての入力も可能。

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PDFを画像認識して、署名や住所の入力欄を自動で設定するオートフィル機能

心身の状態を一目で把握できる「ヘルスケア」

 iPadOS 17では「ヘルスケア」アプリが新たに追加される。iPhone版のヘルスケアアプリと同じ機能を備えており、iPadの大画面でアクティビティー履歴や睡眠記録などのデータを確認できる。ヘルスケアアプリには、心の状態を記録するメンタルヘルス機能も追加される。

iPadOS 17
「ヘルスケア」アプリがiPadに登場

Safariはプライバシー保護を強化

 Webブラウザーアプリ「Safari」は、プライバシー保護機能が強化されている。Safariの「プロフィール」機能では、仕事やプライベートなどの場面に応じて、ブックマークや履歴、Cookieなどを管理できる。プライベートブラウズ機能では、サイト越えトラッキングに使われているトラッカーを削除する機能や、生体認証を使って閲覧中の画面をロックする機能が追加されている。

 また、iPadOS 17では、Webサイトやアプリのパスワードやパスキーを、家族など複数のiPadユーザーで共有する機能が提供される。Webサイトのアカウントごとに、どのメンバーと共有するかを指定できるようになっており、パスワードが変更された場合にも反映される。

メッセージアプリに「絵文字ステッカー」、自作ステッカーも追加可能に

 メッセージアプリでは、LINEのスタンプのように利用できる「ステッカー」機能を強化。絵文字をステッカーとして送信できる「絵文字ステッカー」や、撮影した写真や動画をステッカーにできる「Liveステッカー」が追加された。

iPadOS 17
写真からステッカーを作成するLiveステッカー機能

メッセージ検索の機能も改善されており、グループチャットの発言者を絞りこんで検索できるようになっている。また、オーディオメッセージでは自動で文字に書き起こして表示する機能が追加されている。

ステージマネージャのレイアウト変更がより柔軟に

 複数のアプリをウインドウ形式で表示できる「ステージマネージャ」機能では、ウインドウの移動やサイズ変更をより柔軟に行えるようになった。例えば、2つのウインドウを並べて表示するときに、片方のウインドウのサイズを変えるだけの操作で、もう片方のウインドウは画面幅に合わせて拡大されるようになる。

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ステージマネージャでのウインドウのレイアウト変更がより改善される

「Hey,Siri」→「Siri」だけで起動

 音声アシスタントのSiriは、ウェイクワードが「Hey Siri」から「Siri」に変更されている。日本語では「シリ」と発音するだけで起動できる。音声入力では新しい音声認識モデルを採用し、入力の精度が向上している。

 文字入力では自動修正機能を言語モデルによって改善し、予測テキストをインラインで表示するようになった。

ビデオ通話ではリアクションが追加可能に

 ビデオ通話機能向けには、ハートや花火などのリアクションを表示する機能が追加される。FaceTimeアプリのほか、ZoomやWebEXなどのサードパーティー製のビデオ通話アプリでも利用できる。

 「連係カメラ」では、Apple TV 4Kとの連携をサポート。iPadの背面カメラをWebカメラとして利用して、Apple TVに接続したテレビをディスプレイとする大画面でのビデオ通話が可能となった。

裸の画像に注意表示する「センシティブな内容の警告」

 プライバシー保護機能では「コミュニケーションの安全性」の機能が拡充される。新機能の「センシティブな内容の警告」では、ヌード画像などを検出したときに、表示する前にアラート画面を表示する機能が設定できるようになる。この機能では画像の内容を解析する仕組みをiPad上で動作させているため、プライバシーを保った状態で利用できる。

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きわどい画像を表示する前にアラートを出す「センシティブな内容の警告」機能

 この他の機能として、フリーボードアプリでは、蛍光ペンや水彩ブラシ、カリグラフィーペン、定規などの新たな描画ツールが加わる。共同編集中のボードで相手がどの部分を表示しているのかを示す機能が追加される。

 リマインダーでは買い物リストの機能が改善され、ジャンルごとに自動で分類して表示できるようになる。マップには、地図などを事前にダウンロードしてオフラインで利用する機能が追加される。

 写真に被写体の情報を表示する「画像を調べる」機能では、食べ物、店舗、標識や衣服の洗濯表示タグなどの記号も調べられるようになった。

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