楽天モバイルは何が“最強”なのか Rakuten Optimism 2023で語られたこと(3/3 ページ)
8月2日~6日の5日間に渡りパシフィコ横浜で開催されている、楽天グループ最大級の体験イベント「Rakuten Optimism 2023」。4日には「楽天モバイルは何が最強なのか」と題したトークパートが含まれた。楽天モバイルの共同CEOの鈴木和洋氏、CTOのシャラッド・スリオアストーア氏、矢澤俊介社長が登壇した。
プランも技術も最強だが、全エリアカバーに衛星が欠かせず
料金プランも技術も最強という楽天モバイルだが、真の最強キャリアへはまだ遠い。その大きな理由が実際に通信できるエリアだ。
矢澤俊介社長は楽天モバイル(4G)回線エリアの人口カバー率について、「2018年から始めた基地局建設が2年後の2020年になっても20%しか達成できておらず、正直、非常に大変な時代もあった」と振り返った上で、「今(2023年現在)では98%を超えている」と紹介。その理由は現地へ行かずにAIを活用して基地局の設置場所を把握した他、基地局の工事に携わる人たちの協力があったからだという。
一方で「日本の国土の約30%はいまだに携帯電話の電波が届きづらい。つまり実際にカバーされている国土は全体の約70%程度にとどまる」(矢澤社長)ことから、楽天モバイルの技術を駆使して解決したいとの考えを明かした。
その技術とは衛星を指す。楽天モバイルは楽天グループが出資するAST Space Mobileと低軌道衛星を活用し、エリア外の地域でも楽天モバイルの通信サービスが受けられるようにする「スペースモバイル」プロジェクトに取り組んでいる。宇宙空間に打ち上げた低軌道衛星から地上のスマホに直接電波を発射し、「埋められていないエリアをカバー」(矢澤社長)する。
そのプロジェクト完遂に向け、ASTが2022年9月10日に米国で試験衛星「BlueWalker 3(ブルーウォーカー3)」を打ち上げた。11月14日には宇宙空間に展開され、2023年4月21日にはBlueWalker 3とスマホの直接通信に成功。6月21日には10Mbpsを超える下り速度を達成した。
矢澤社長によると、順調に進めば9月には日本で初めて、北海道で実証実験が行われるという。「沖縄本島に上陸した台風6号による停電などの際にもこの衛星が役立つ」と矢澤社長は自信をのぞかせ、「地上にある(既存の)基地局が機能しなくなった場合に衛星に切り替えて通信できる。それが約2~3年後に実現する」と語った。
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