経済圏の軸は「ポイント」と「金融」に? KDDIが「auマネ活プラン」を繰り出した理由(1/2 ページ)
auの「auマネ活プラン」は、auブランドの金融サービスを契約すると還元(ポイント付与やキャッシュバックなど)が増えるという、今までにない新しい携帯料金プランだ。一体なぜ、このようなプランが出てきたのだろうか?
既報の通り、KDDIと沖縄セルラー電話は9月1日から、auスマートフォン向けの新料金「auマネ活プラン」の提供を開始する。プラン自体は既存の「使い放題MAXシリーズ」をベースとしており、auフィナンシャルグループ(auFG)の金融サービスを契約するとより多くの還元を受けられるという組み立てである。
両社はなぜ、このような新プランを考案したのだろうか。
auマネ活プランは、使い放題MAXシリーズをベースとしており、料金設定も全く同じである。違いは「家族割プラスを適用できない」代わりに「auFGの金融サービスと組み合わせて使うと還元が増える」という点にある
8月23日の発表会に登壇した皆さん。左からKDDIの竹澤浩常務、タレントの田中みな実さん、KDDIの高橋誠社長、auフィナンシャルホールディングス(auFGの持株会社)の勝木朋彦社長(写真提供:KDDI)
「金融」を重点領域に掲げるKDDI
KDDIでは、経営ビジョンとして「KDDI VISION 2030:『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」を掲げている。このビジョンにおいて、同社グループは「社会を支えるプラットフォーマー」を目指すと宣言している。
2022年度から2024年度までの中期経営計画では、このビジョンを実現するための一環として「サテライトグロース戦略」を掲げている。これは5Gによる通信事業を進化させ、それを軸として5つの「注力領域」の成長を促進する、という戦略だ。
この戦略における注力領域の1つが、金融である。グループの決済・金融事業を再編すべく、KDDIは2019年に中間持株会社である「auフィナンシャルホールディングス」を設立した。これにより、KDDIの決済・金融子会社/関連会社はauフィナンシャルホールディングスの傘下に入ることになった。
孫会社になったとはいえ、KDDIは傘下に「銀行」「カード会社」「損害保険会社」「プリペイドマネー発行事業者」などを抱え、関連会社まで含めれば「証券会社」もある。この“幅広さ”は、NTTドコモやソフトバンクにはない強みである(※1)。
(※1)誤解のないように記しておくと、NTTドコモやソフトバンクも自社、あるいは子会社を通して金融事業を行っている。しかし、KDDI(auフィナンシャルホールディングス)ほどの幅広さはない――そういう意味である
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