5G対応かも不明、異例だらけのスマホ「HUAWEI Mate 60 Pro」レビュー 力業で制裁を回避した驚異のモデル(2/4 ページ)
iPhoneやPixelといった新型スマートフォンが発売される中、中国ではHuaweiの最新スマートフォン「HUAWEI Mate 60」シリーズが話題だ。発表会もなく、突如発売されたこのスマートフォンはスペックの多くが謎めいた形で販売された。香港で「HUAWEI Mate 60 Pro」の実機を入手したので、レビューしていく。
通信関連のスペックは一切非公表だが“5G並み”の通信速度を記録
5G対応について曖昧な表記としている理由は、Huaweiも公式にはMate 60シリーズが「5G通信対応」とは明記していないからだ。メーカーサイトには5Gどころか4Gの対応周波数バンドの記載すら一切ない。
Mate 60 Proではアンテナピクトは4Gまでは示すものの、5Gの電波を受信している可能性がある場合はアンテナピクトに4Gなどの表記がなくなる。もちろん、端末側にネットワークの優先受信設定などはない。
そんな端末が本当に5G通信に対応しているのか。筆者も実際に試してみたところ日本の通信網でも880Mbpsを記録した。瞬時値では1Gbpsを超える値を計測するなど、一般に4Gの理論値といわれる1Gbpsに迫る値を複数回計測した。
日本未発売の海外端末かつ、日本の4Gキャリアアグリゲーションへの対応や最適化も不十分なことを踏まえると、この数字は4Gスマートフォンとしては考えにくい。実測で1Gbpsに迫る高速通信が可能なことから、今回のMate 60 Proは「5G通信に対応している可能性が極めて高い」と結論付ける。
確かに、自国で5G対応のプロセッサを形にできれば「復活のHuawei」と評価されることも納得だ。実際筆者も目の前で起こった事実を踏まえてもそう評価せざるを得なかった。
ディスプレイは120Hz対応、衛星通信にも対応
ここからはスマートフォンとして見ていこう。ディスプレイは120Hzのリフレッシュレートに対応している。少し前のトレンドであった3Dガラスのような仕上げとなっており、質感や画質に関しては価格相当の良質な仕上がりとなっている。
パンチホールカメラが3つ並ぶ特徴的なものだが、これは別途3D顔認証用のセンサーを搭載しているため。マスクを装着した状態での顔認証にも対応する。
本体は合成皮(フェイクレザー)と金属パーツで構成されており、他社では見られないデザインだ。接合部には段差などは見られず、価格に見合った上質な仕上がりといえる。
この他の注目点は、衛星通信対応とHarmony OS 4.0だ。衛星通信機能は中国版GPSの「北斗」を用いたことで実現しており、同衛星の双方向通信を利用している。
緊急時のショートメールやSOS信号の発信に加え、今回からは衛星通信を用いた通話も可能となった。アンテナ設計も強化されたことで、不自由のない通話ができ、Mate 60シリーズは衛星携帯電話にもなるのだ。
OSはHarmony OS 4.0を採用。同社が提唱する「シームレスな接続」を売りにしており、対応している家電や自動車などとの連携機能がより強化されている。継続的な機能改善のアップデートも行われており、筆者が購入してから記事執筆時点までに6回のアップデートが提供されている。
システム情報表示アプリでは「Android 12」と表示され、一般的なAndroidスマートフォン向けのアプリが動作する。
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