ベルキンから世界初の「Qi2」ワイヤレス充電器が登場 iPhoneユーザーはMagSafeから移行すべきか?(2/2 ページ)
ベルキンが次世代ワイヤレス充電規格「Qi2」認証を取得した充電器を発表した。これは世界初となる「Qi2認証充電器」だ。発表会では、磁力で吸着するため位置合わせ扶養で便利なQi2ワイヤレス充電器3製品と、MagSafeとの関係についての説明も行われた。
Qi2とMagSafeの関係は?
Qi2は既報の通り、AppleがWPC(Wireless Power Consortium)にMagSafe技術の一部を提供したことで実現したマグネティックパワープロファイル(MPP)を核としたワイヤレス充電規格だ。磁力でピタッと吸着する(マグネット・アライメント)ため、ワイヤレス充電時に生じがちな位置合わせが不要なのが特徴だ。
スマホで利用できるワイヤレス充電では、充電器側のコイルに交流電気を通して磁界(磁束)を発生させ、対応スマホの背面(に内蔵されているコイル)を近づけた際に誘導電圧が発生して、電力が供給される。
Qiでは、その周波数が120KHzだったが、Qi2では360KHzになり、電波干渉の影響を受けにくくなっただけでなく、出力自体も増えた。また位置合わせを確実に行う(誤差は2mm以下)ことにより、漏れが少なくなり、総合的にQiの2倍となる最大15W出力を可能にした。
メリットはそれだけではない。iOS 16にアップデートした際に、それまでできていたワイヤレス充電が行えなくなるというバグが生じたのは記憶に新しいが、MFi認証を取っていないサードパーティー製アクセサリーでは往々にして「今まで使えていたのにOSアップデートで使えなくなった」ということが起きがちだ。
しかし、Qi2はWPCが定めたワイヤレス充電規格で、公式認証を受けていない製品には「Qi2」ロゴマークを使えないことなどから、今後、同様のことが生じないと考えられる。
もちろん、Appleのみの技術だった「吸着して充電」するMagSafe同様の技術が、将来的にAndroidスマホや、もしかしたらノートPCやタブレットなど幅広くりようできるようになる、というのもメリットに挙げられるだろう。
MagSafeに関する技術的な知的財産は今後もAppleが保有し、その認証も与える立場だが、Appleが開示したMagSafeで充電に利用しているマグネット・アライメントの技術を使ったQi2は、WMCが認証を与える立場となる。
Qi2製品とMagSafe製品のどちらを選べばいいのか
Qi2認証を取得した世界初の充電器を発表したベルキンだが、今後もMagSafe関連製品を開発、販売していくという。
Qi、Qi Magnetic、Qi2はそれなりにお手頃な価格で、価格に見合ったデザインで提供され、MagSafeはAppleが求める高品質な性能、デザイン、そして価格で提供していく。
では、今、iPhone 12以降のユーザー、また将来的にQi2規格対応のAndroidスマホを買いたいと考えているユーザーはどちらを選べばいいのだろうか。
Androidスマホユーザーであれば、間違いなくQi2認証製品を購入したほうがいいだろう。MagSafeが含む、まだ明かされていない技術のためにお金を多く出す必要がないからだ。Qi2規格の充電器でも、Qiにしか対応していないスマホや完全ワイヤレスイヤフォンなどをワイヤレス充電することもできる。
では、iPhone 12以降を使っており、Androidスマホを使っていないユーザーはどうだろうか。同じような速度で充電でき、かつ安価なQi2規格充電器を買えばいいのではないだろうか。
不具合が生じたときの、これまでのAppleの対応を見るに、ワイヤレス充電周りで不具合が生じれば、いち早く“手当”されるのはMagSafeに対してだろう。その後、Qi2やQiなどの充電器への不具合対応を進めていくと考えられる。
また、半分程度まで最高速度で充電し、満充電に近くなるに連れ充電速度を落としてiPhone本体のバッテリーをいたわるのも、MagSafe充電器だ。
これらを踏まえ、iPhoneユーザーであれば引き続きMagSafe認証を受けた充電器を選んだほうがいいだろう。
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