Coke ON Walletが自販機での「現金チャージ」「おつりチャージ」に対応 実体験で分かったこと(2/2 ページ)
日本コカ・コーラは2024年2月21日、「Coke ON」アプリの電子マネー「Coke ON Wallet」残高に自販機から現金チャージできるようにすると発表した。新機能名は「自販機チャージ」で、3月中旬以降順次提供する。10円単位でチャージ可能だが、払い戻しは行わない。
自販機チャージを試用、改善すべき課題も
2024年2月21日の会見では、永井氏が新機能である自販機チャージの概要について、詳しく説明した。
自販機チャージといわれると、単に現金でチャージできる方法を想起してしまうが、自販機チャージには「現金チャージ」「おつりチャージ」の2通りのチャージ方法が存在する。正式な提供開始日は「アプリで案内する」(永井氏)としている。
現金チャージは、Coke ON Walletのチャージ方法から「Coke ON マネー・ 現金チャージ」を選び、自販機に投入した金額がアプリに同期されたら、確認した上で自販機に表示された認証番号をスマートフォンに入力してチャージする。認証番号は、チャージ主を確認するために発行される数字5桁で、チャージする人が手動で都度入力する必要がある。
1~2分後に残高がサーバ上に登録される。自販機の制約もあるので、1回につき10円単位でチャージできるが、「チャージ可能額には限りがある」(永井氏)という。
おつりチャージは、Coke ONアプリを通じた飲料品の購入に伴い、利用できるサービスとなる。手順はこうだ。まずは、Coke ONアプリで「現金購入メニュー」を選択する。次に購入したい飲料品のボタンを押し、自販機に現金を投入する。すると、飲料品が自販機の受取口に落ちてくる。釣り銭は現金ではなく、Coke ON Walletの残高に反映される。
実際に体験してみると、現金でチャージして購入するくらいなら、現金で購入したい、という心理が働き、Coke ONアプリの利用に至らないのではないか、と感じた。
特に現金チャージから購入までにかかる時間はおよそ2分で、現金で購入した方がアプリ操作を挟むよりもはるかに早いし楽だ。
しかも、チャージおよび購入ごとにスマホ自販機へスマートフォンを近づける必要もあり、Bluetoothアンテナの位置や感度によって、スマートフォンと自販機がうまく接続できないことがある。その場合は距離や持ち方、スマートフォンの角度を調整しなければならない。
一方で、2024年2月21日現在は銀行口座からしかCoke ON Walletへのチャージが行えない。そのため、日頃から現金しか持ち歩かない人や、銀行口座を開設していない子どもなら、自販機チャージの利用が適しているだろう。
コカ・コーラシステムの自販機は全国に約88万台ある。Coke ON対応自販機は48万台のうち、Coke ON Pay(アプリ支払い)対応自販機は45万台、自販機チャージに順次対応予定の自販機は30万台となる。
全国の自販機の中には、設置から年数がたっている自販機や、撤退メーカーの自販機もあり、「それらへは新サービスの実装ができない」(永井氏)という。
永井氏は、「技術的な制約をクリアできた全台で、自販機チャージを提供する」としているが、「自販機チャージの展開に伴い、自販機1台ごとにアップデートが必要になる」とも話す。
対応した自販機から順次提供されるため、発表資料では「3月中旬以降順次提供」という表記となっている。自販機チャージに対応する自販機は、Coke ONアプリでも確認できるようになる予定だ。
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