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楽天モバイル法人料金も「最強プラン」に、法人携帯でも“民主化”目指す 「Rakuten Link Office」デスクトップ版も登場(3/3 ページ)

楽天モバイルは3月8日、法人向けサービスの1周年を記念するイベント「Rakuten Mobile Business Innovation Summit」を開催した。代表取締役共同CEOの鈴木和洋氏が法人事業の現状と、新サービスについて語った。質疑応答のパートでは、プラチナバンドの開始時期や法人向けサービスで他社と何が違うのかなど、楽天モバイルの動きで焦点になる質問が並んだ。

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報道関係者との質疑応答

 イベント後、鈴木和洋共同CEOが報道関係者からの質問に答えた。プラチナバンド(700MHz帯)のサービス開始時期や、法人向けサービスにおける他社との違いなど、注目すべき質問が並んだ。

―― 他の大手3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)は、法人のDX(デジタルトランスフォーメーション)化ソリューションなどを手厚くしています。楽天モバイルは3社に匹敵するような法人ビジネスのキャッチアップなどについて、どのようにお考えですか?

鈴木氏 楽天でなければ提供できないような、楽天独自の商材の開発に力を入れていきたいと考えています。Rakuten Link Officeデスクトップもその1つですし、AIがキーワードになっていて、OpenAIとも特別な提携関係にあります。他社では提供できないようなAIソリューションを提供していきたいと考えています。

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―― 5GやIoTを活用したソリューションの具体的な計画はありますか?

鈴木氏 IoTに関しては、実証事業という形ですが、政府から一部補助金を得て実施しているものもあります。5GとIoTに関しては、2024年はPoC(Proof of Concept:実証実験)中心に進んでいくという見立てです。

―― 法人向けにSIMを無料で配布する意図と、その効果がどれほどか教えてください。

鈴木氏 楽天モバイルは、楽天市場出店者にSIMカードを配布していますが、基本的には本人確認を終えてから使ってもらう流れとなります。(無料配布の)大きな理由は、働き方改革が浸透し、オフィスの外からスマホを使ってZoomミーティングや、社内作業をスマホから行うことが一般化してきたからです。そうなると、とにかくデータを使うのです。

 マーチャント(商人)さんは、出店者出店した商品の状態をスマホで確認する際、画像データのやりとりにデータが必要です。SIMカードの配布は、楽天モバイルの通信サービスをマーチャントにより利用してもらい、追加契約につながるようなプロモーションです。利用者から改善要望を聞きながら、提供していきたいです。

―― 法人顧客が増えたことで、ARPU(1契約当たりの平均収益)が下がったというお話が決算説明会でありました。これをどのように反転させたいですか?

鈴木氏 正直、B2CとB2BのARPUを比べると、B2Bの方が多少低い。恐らく4キャリア共通だと思います。法人はソリューションも含めて伸びしろが大きいです。単純に通信量だけでなくお客さまがトータルで払っているネットワークコストがあります。そのお財布の中のウォレットシェアを増やしていくことを通じて、ARPUも向上させていきたいと考えます。

―― 楽天モバイルの法人契約数は何回線ですか?

鈴木氏 法人契約回線数は公表しておりません。他3社も、B2CとB2Bに分けて発表していないはずです。楽天市場に出店しているマーチャントは、どちらかといえば大企業よりも中堅中小、あるいは地方が多い。具体的な数はお伝えできませんが、その規模から想像していただければと思います。

―― プラチナバンド(700MHz帯)のサービス開始時期を教えてください。

鈴木氏 プラチナバンドの開始時期に関しては、正式に何月スタートというようなアナウンスはしていません。

―― プラチナバンドの開始時期について、例えば、3月末に株主総会の前には出るのかなど、いつ頃なのか、もう少し具体的に教えていただけないでしょうか?

鈴木氏 準備は急ピッチで進めているところです。プラチナのネットワークのデプロイメントは、無線機のパートナーとしてNokiaを選んでいます。夏前ぐらいには開始ができるように準備しています。開始時期か開始日が確定的になった段階で発表したいと考えています。



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