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大きく変わった「Xperia 1 VI」のカメラを試す 全面刷新のカメラアプリや光学7倍ズームの新望遠レンズはどう?荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/4 ページ)

ソニーのフラグシップ機「Xperia 1」シリーズの6代目が誕生する。「Xperia 1 VI」である。今回、カメラ機能を一足早く試せたので、サクッとチェックしていこう

Photo Proからカメラアプリの「プロ」モードになって何が変わった?


プロモードで望遠撮影をしているの図

 一番様変わりしたのが、Photo Proを継承する「プロ」モード。特に、横位置時の画面デザインが大きく変わった。Xperia 1 Vのときと比べてみたい。


上がXperia 1 V。下がXperia 1 VI。昔の方が画面が「プロっぽい」けど、今の方がスマホカメラに慣れた人には取っつきやすいはず

 一方、縦位置時の画面デザインは大きく変わったわけじゃない


左がXperia 1 V、右がXperia 1 VI。こちらはあまり変わってない。ボタン配置が変わり、AF-ONとAELボタンがなくなったくらい

 従来は横位置時と縦位置時で画面デザインが異なっており、横位置時は画面にシャッターボタンがなく、物理シャッター(半押しによるAFロック付)で撮影するスタイルだったのだ。

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 今回はそれを全面改定。縦位置時のデザインテイストを、横位置時にも適用したのである。


初代Xperia 1から伝統のシャッターボタン。これを長押しするとすぐカメラが起動するのもいい。このボタンは健在だ

 縦位置時と横位置時で整合性は取れたし、分かりやすくなったけど、ちょっと困ったのがFnキーを押さないと細かい設定を確認できないこと。

 おかげで「連写モード」にしていたのを忘れて思わぬ連写をしちゃったり、クリエイティブルックを変えたのを忘れていて「あれ? なんか色が違う」と思ったり……しました。

 考えてみたら、縦位置時は以前からそうだったのだけど。


Fnボタンを押すとこのように設定項目が現れ、現在の設定が分かると同時にタップして設定を変更できる

 良くなったのは、レンズ選択のUIが「写真」モードと同じになり、ワンタップで設定できること。「写真」では倍率、「プロ」では焦点距離表示という違いはあるけど、慣れるといい。

 「おまえはどうなんだ?」といわれると、AF-ONボタンがなくなったのは残念だけど、新しい方が使いやすいし、実は横位置時も画面にシャッターボタンが欲しいと思っていたので……よいかな。

 カメラの基礎知識がある人にとっては、本職カメラと同じ感覚でさっと設定できるので「プロ」モードはありがたい。操作も、多くのスマホカメラの「マニュアル撮影」モードより使いやすい。

 例えば連写+AF-Cにすればこちらへ走ってくる猫や列車や人にフォーカスを合わせ続けることができる。望遠に強くなった分、ちょっと離れたものも撮りやすくなった。


走ってくる列車をシャッタースピード優先+AF-C+連写で撮影した中の1枚。リアルタイムAFが賢いのでずっと被写体を追ってくれるのがいい。

 シャッタースピードの最高は1/8000秒。シャッタースピード優先にすれば水を止めて撮ることも。


望遠カメラ+ 1/8000秒で水を止めてみた

望遠でこれを撮れるってもはやスマホの域を超えている

 見逃してはいけないのは、プロモードに「コンピュテーショナルフォトグラフィー」のオート/オフモードが付いたこと。

 「写真」モードでは、状況に応じて設定を変えて複数枚連写して合成する機能(HDRやナイトモードなど)が自動的に働くので、細かいテクがなくても何でもいい感じに撮ってくれた。一方Photo Proは、そういうことを一切したくない人のモードだった。

 でも今回、「プロ」モードの「Fn」メニューの中に「コンピュテーショナルフォト」の項目ができたのだ。


Fnの中にコンピュテーショナルフォトのセレクトが。

 夜景だと違いが分かりやすい。

 コンピュテーショナルフォトが働くと、ハイライト部が抑えられているのが分かる。でもそれだと不自然だと感じるシーンもあり、そういうときはオフにするといい。


「コンピュテーショナルフォト」をオートに撮影、夜景モード的に働いた。正面下の交番あたりが分かりやすい

「コンピュテーショナルフォト」をオフにして撮影。ハイライト部が白くトんだけど、このコントラストがいいこともある

 コンピュテーショナルフォトをオンにすると、連写が使えないなど制限もあるが、写真モード時とほぼ同等の写りをプロモードでも楽しめるようになったのはよい。

 従来のXperia 1シリーズユーザーで、Photo ProのUIが好きな人には「なんか普通になっちゃったなぁ……」と感じるかもしれないけど、まあそれはそれ、ってことで。

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