IIJ×OPPO、Xiaomi、モトローラが語るスマホ戦術 おサイフケータイは「永遠の悩み」、IIJmioは「モバイル業界の宝石箱」(2/3 ページ)
IIJが4年ぶりのリアルイベント「IIJmio meeting」を開催。OPPO、Xiaomi、モトローラの担当者が集まり、スマホのトレンドについてディスカッションを行った。スマホのラインアップが細分化され、トレンドが変わってきているという。
おサイフケータイは本当に必須? メーカーにとっては「永遠の悩み」
イベントの後半には、オウガ・ジャパン丹下氏、Xiaomi Japan安達氏、モトローラ・モビリティ・ジャパン見潮氏が登壇し、それぞれ自社の端末事業を簡単に紹介した後、永野氏も加えてトークセッションが行われた。トークセッションはIIJが質問を投げかけ、3氏が回答するという流れで行われた。
3社ともグローバル展開するスマホメーカーだが、日本モデルで重視することは何かという質問に対し、Xiaomiの安達氏は「お客さまの心に刺さる特徴を持つ商品をグローバルの中から見つけて、日本に導入したい」と語った。
「Xiaomiはグローバルシェア3位。めちゃくちゃ売っていて、日本のマーケット全体よりも売っています。スケールがあるので安く部品を調達し、生産できる。OPPOさん、モトローラさんもそうですが、スケールメリットがある。また、開発力が高く、いろいろなことに投資して新しいものを生み出すことができる。そのグローバルのよさを、できるだけ変えずに日本のお客さまにお届けしたい。
POCOシリーズはその典型で、日本の認証は通っていますが、基本的にグローバル版そのまま。結果、評価されているそのままの内容でお届けできる。日本のお客さまに最適化させるというのは1つの軸ですが、グローバルの強みやスピード感、イノベーションを、そのままお届けすることを忘れずに、チームで議論しながらやっていきたいと思っています」(安達氏)
オウガ・ジャパンの丹下氏は「右に同じ(笑)」と安達氏と同意見としながらも、「そのまま持ってくるのはちょっと難しいという意見もわれわれチームの中にはある」と回答。OPPOは早期から。防水防塵、おサイフケータイといった日本仕様にしっかり対応しているところも評価されている。
「OPPOはグローバルシェア4位。グローバル全体で6億人以上のユーザーがいます。ですので、それぞれの国と地域のユーザーの声、当然、日本のお客さまの声も反映しながら、物作りをしていきたい」(丹下氏)
モトローラの見潮氏も2氏と同意見。「FeliCaやIP68という日本市場で求められてる基本機能が入ってないという課題をクリアして、ようやくいろいろな端末に搭載されるようになった」状態であり、「日本の市場として、ユーザーが求めているデフォルトの機能をきっちり搭載していくことが今のスタンス」。その上で、「海外で進んでいる新しい機能をプロダクト企業としてキャッチアップして市場に届けたい」と語った。
これらのコメントに対して、永野氏が「おサイフケータイは、やっぱりものすごく重要だと捉えていますか?」と質問。スマホを何台も運用している永野氏自身は、「乗り換えが面倒なので、おサイフケータイはスマートウォッチに搭載すればいい」との意見だ。
見潮氏は「おサイフケータイは生活インフラであり重要」との回答。今後はスマホにマイナンバーカードを登録して使われる可能性もあり、サポートしておくという立場だ。
丹下氏は「モデルによる」との意見。代替手段としてQRコード決済も普及している。「どの機種で、どういう使われ方しているのか、ユーザーさんの声を聞きながら対応していきたい」と述べた。
安達氏は「永遠の悩み」と語った。おサイフケータイは20周年を迎え、インフラとして整っている。おサイフケータイ搭載の要望も多いという。ただ、「FeliCaを入れられないから、その商品を日本で出さないのはもったいなくないですか? とは思っている」とコメント。クレジットカードのタッチ決済が使えるようになり、他の選択肢も出てきている。スマホを複数台持って使い分けている人も多い。
「FeliCaを必須にすると、日本導入のハードルがかなり上がるのは開発上、事実。グローバルで、あそこまでハードウェアを変更する非接触通信の規格はない。マストにしたらよくない、オープンに考えるべきというのが正直、本心です」(安達氏)
安達氏は、いろいろな手法をユーザーと一緒に探っていきたいと語っていた。
スマホのAIにはどうアプローチする? OPPOは「久しぶりにFindを持ってくる」
2つ目の質問は「AIに対する取り組み」。各社とも積極的に取り組んではいるが、今後の話は新端末の話に直結するだけに、言えない部分も多かったようだ。
安達氏は、カメラの画像処理で使われているAIを取り上げた。例えば、写真画質が非常に高く評価されているXiaomi 14 Ultraでも「画像処理に対して、めちゃくちゃAIを使っている」。1度シャッターを押すと、背後でRAW画像をいくつも撮影し、それを解析しながら最適な陰影やフォーカス具合を演算し、ポートレートモードの作品として出す。こうした作業をAISP(AIシグナルプロセッサ)が行っているという。なお、最近注目されている翻訳や文字起こし、要約などは「今後、日常になっていくと思う」とし、メーカーの差異化にはつながらないという考えを述べた。
丹下氏は、Reno11 Aに画像処理に特化したAIが搭載され、「AI消しゴム」で活用されていることを紹介。今後については、GoogleやMicrosoft、QualcommやMediaTekと「強力に連携しながら作り上げている最中」として、多くを語らなかった。
AIとは別に、丹下氏は「言えること」として「日本に今回、久しぶりにFindを持ってこようと思います」とサプライズ発言。会場はもちろん、永野氏、安達氏や見潮氏も驚いていた。
なお、スマホに搭載してほしいAI機能について、会場の来場者からアイデアを募り、それについて3氏がコメントするシーンもあった。
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