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「Xiaomi 14 Ultra」と「AQUOS R9」のカメラを比較 ライカ監修カメラの実力はどれほど違うのか(1/2 ページ)

日本では「ライカ」を冠するスマートフォンが複数発売される世界的に見ても異例の地域だ。今回は5月に発売された「Xiaomi 14 Ultra」と7月に発売された「AQUOS R9」を比較し、両者のカメラについて比較してみることにする。

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 日本では「ライカ」を冠するスマートフォンが複数発売される世界的に見ても異例の地域だ。今回は2024年5月に発売された「Xiaomi 14 Ultra」と、7月に発売された「AQUOS R9」を比較し、両者のカメラについて比較してみた。

2つの「ライカ監修スマホ」のスペックをチェック

 まず、両者のスペックやカメラを中心にチェックしていこう。

 Xiaomi 14 Ultraは中国Xiaomiのフラグシップスマートフォンだ。本機種は広角カメラ、超広角カメラ、2つの望遠カメラを合わせた計4つのカメラを備え、全て5000万画素のものを採用する。レンズはライカの「ズミルックス」を冠する高品質なものを採用する。

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 広角カメラには1型の大型イメージセンサーを採用し、スマートフォンでは珍しい可変絞り機構を備える。絞りをF1.9~4.0に可変させることで、自然なボケ表現の他、光芒の演出もできる。

 望遠カメラも3.2倍(35mm換算で75mm相当)と5倍(35mm換算で120mm相当)の2つを備え、前者はレンズがF2.0と明るく最短撮影距離が10センチと寄れる。いわゆるテレマクロの撮影が可能だ。

 この他に純正アクセサリーとして「Photography Kit」というカメラグリップが日本向けモデルに付属する。USB接続できるこのグリップは拡張バッテリーとシャッターボタン、ダイヤルキーを備え、カメラさながらの撮影体験が可能だ。

 カメラ以外のポイントはSnapdragon 8 Gen 3を採用し、512GBのストレージを備える。画面は6.8型の2K+解像度、ピーク輝度3000ニトと明るい。他にIP68等級の防水性能や90Wの急速充電機能を備えるなど、フラグシップにふさわしいスペックを持つ。Xiaomiオンラインストアでの価格は19万9900円(税込み、以下同)だ。


本体の見た目は「カメラ」を連想させるイカついデザインだ

スマートフォンでは珍しい可変絞りをメインカメラに備え、F1.9~4.0で調整ができる

 AQUOS R9はシャープが5月に発表したスマートフォンの最新モデルだ。本機種は広角カメラ、超広角カメラの2つを備える。レンズはライカの「ヘクトール」を冠する高品質なものを採用する。

 広角カメラには1/1.55型のイメージセンサーを採用し、熱望された光学式手ブレ補正も備えた。AQUOS R8の後継にあたる存在なので、1型センサーの代わりに超広角カメラも備える。どちらも5030万画素のものを採用している。

 Snapdragon 7+ Gen 3を採用し、256GBのストレージを備えており、昨今のハイエンド機では珍しくなったmicroSDスロットも備えている。画面は6.5型のフルHD+解像度、ピーク輝度2000ニトだ。AQUOSらしい240Hzの「なめらかスクロール」にも対応する。

 これ以外にもIP68等級の防水性能に加え、MIL-STD810Hも取得するなど備えるなど、安心して使えるスマートフォンだ。ドコモとソフトバンクでの価格は11万円~12万円台となっている。


AQUOS R9はライカ監修スマホとしてはコンパクトな機種だ

micro SDカードが利用できる

ハードウェアの差は出るが、両者の雰囲気は意外と似ている

 ここからはXiaomi 14 UltraとAQUOS R9で撮影した写真を見比べていこう。両者ともオートで撮影しているが、Xiaomi 14 Ultraには多彩な撮影モードがあるため、今回は「Leica Authentic」の設定で撮影している。


ここからは両者のカメラを実際に使ってみよう

 両社のスマートフォンは同じライカ監修のカメラであるが、Xiaomi 14 Ultraはやや色の濃いビビッドなチューニングだ。こうしてAQUOS R9と比較すると、より「映え」を意識させるものの、意外にも撮影した際の雰囲気は近いものを感じられる。

 こうして比較するとXiaomi 14 Ultraの方がややふんわりとしており、大型センサーのおかげか描写に余裕を感じさせる。一方でAQUOS R9は雰囲気こそエモいが、全体的に「カチッ」とした印象を持つ。どちらかといえば昨今のスマートフォンで多いチューニングだ。そのため、いい意味でスマホらしからぬ表現が可能なのはハードウェア的にも高性能なXiaomi 14 Ultraだ。

 また、Xiaomi 14 UltraでAQUOS R9のような色や質感で撮影したい場合は「Leica ナチュラルフィルター」を利用すると近い感覚で撮影できる。

 超広角カメラはどちらも5000万画素だが、AQUOSが換算13mmに対してXiaomiの方が換算12mmとより広角になる。基本性能の差もあるため、より広くきれいに収めたい場合はXiaomiの方が優位だ。

 花の写真では両者のハードウェアスペックの差が明確に現れる。「自然なボケ感」では1型センサーを採用するXiaomi 14 Ultraが優位だ。AQUOS R9の方がやや寄り気味だが、それでもXiaomi 14 Ultraよりも背景ボケは少ない。

 夕焼けや夜景のシーンではAQUOS R9が思った以上に健闘している。都市夜景のシーンではXiaomi 14 Ultraはオートフォーカスの測光がガラス面にピンク色に反射するのに対して、AQUOS R9ではこれが見られない。それでも、ここまできれいに撮影できれば満足する人も多いだろう。

 望遠やテレマクロといったシチュエーションは、望遠カメラを備えるXiaomi 14 Ultraが優れている。AQUOS R9では物理的に撮影が難しいシチュエーションなだけあって、ここに引かれる方は迷わずXiaomi 14 Ultraを検討した方がいいだろう。

 多彩な撮影モードを求めるならXiaomi 14 Ultraに軍配が上がる。Leica VibrantとLeica Authenticの2つのモードに加え、多種多様なフィルターを利用できる。可変絞りによる光芒の表現をはじめ、撮影表現をより広げられる。

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