「AQUOS R9」を3週間使って感じた真価 “生活に溶け込むスマートフォン”の理想形だ(1/3 ページ)
シャープの新フラッグシップモデル「AQUOS R9」は、洗練されたデザイン、IGZOディスプレイによる滑らかな表示、ライカ監修のナチュラルなカメラが魅力だ。最上位プロセッサは搭載していないが、価格面でのコストパフォーマンスにも優れている。その実力をチェックした。
シャープの新フラグシップモデル「AQUOS R9」をレビューする。外部デザイナーの起用でデザインを刷新した新モデルだ。今期はカメラ特化型の最上位モデル「AQUOS R9 pro」が投入されないため、この機種がシャープのフラグシップとなる。価格はSIMフリー版で10万円前後を想定する。シャープから実機を借りる機会を得たので、その実力を見ていこう。
販路 | 一括価格 | 実質価格 |
---|---|---|
NTTドコモ版 AQUOS R9 SH-51E |
11万7040円 | 6万1600円 (2年後返却) |
ソフトバンク版 AQUOS R9(A401SH) |
12万4560円 | 3万1824円 (1年後返却)※1 |
オープンマーケット版 AQUOS R9 SH-M28 |
10万円前後 | ― |
※1:別途、早トクオプション利用料1万2100円とあんしん保証パックサービスの申し込みが必要。 |
端正なフォルムの中に息づく生命感
AQUOS R9のフォルムでまず目を引くのは、カメラ周りのデザインだ。自由曲線を多用したカメラ周辺の配置は、ジブリ映画のキャラクターに例えられたが、どこか有機的な印象を受ける。全体としては秩序だった印象のデザインの中で、絶妙なアクセントとなっている。
側面や背面、ディスプレイ角のアールの付け方にも細やかな配慮が感じられる。その柔和な曲線は、まるでキッチン家電のような親しみやすさを醸し出している。カラーバリエーションはグリーンとホワイトの2色展開だが、清潔感のある印象だ。背面素材は強化ガラスを採用。カメラバンプの部分はアルミ素材で、ダイヤモンドカットによって存在感を出している。
前面を見ると、上下左右のベゼルに太い部分がなく、画面と外枠のバランスが絶妙だ。約6.5型の画面サイズで、本体サイズは約75(幅)×156(高さ)×8.9(奥行き)mmと、大きくなりすぎないサイズ感に抑えている。重さも195gで、手に持ったときの負担に配慮されている。
唯一気になるのは指紋センサーの位置だ。右側面の電源ボタンと一体化されているため、右手で持つ場合は親指で自然に操作できるが、左手で使用する際には人差し指でも押しづらい位置にある。前機種と同じ配置だが、ここは画面内蔵型の指紋センサーを採用した方がよかったのではないかと思う。
目に吸い付くPro IGZO OLEDディスプレイ
画面サイズは約6.5型で、シャープの独自技術Pro IGZO OLEDディスプレイを採用している。多くのハイエンドスマートフォンの120Hz駆動を上回る。黒フレームの挿入という工夫で240Hz相当の駆動を実現している。
「画面がヌルヌル動く」という表現がぴったりくるほど、その動きは滑らかで、使い心地のよさでは一歩先行く印象だ。暇さえあればXやThreadsのタイムラインを流し見してしまうようなSNSヘビーユーザーなら、この滑らかさの恩恵を強く実感できるはずだ。
なお、前機種で搭載していた動画のフレーム補間は省略されている。
画面輝度は全白輝度1500ニト、ピーク輝度2000ニトと高く、屋外での視認性も申し分ない。さらに、従来モデルで弱点だった低輝度時の光漏れも解消されており、ディスプレイの製造品質では一段上がっている印象だ。
また、今回は内蔵スピーカーも改善されている。ステレオのボックススピーカーの採用によって、音量が従来の2.5倍、低音域が2倍にブーストしている。
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