災害に備えて「ソーラーパネル」でスマホを充電してみた モバイルバッテリーの選び方も解説(2/3 ページ)
災害時にはスマートフォンが主な情報収集の手段となる。そんな非常時の電源確保は防災対策で欠かせない。筆者が非常用持ち出し袋の見直しを行う中で選んだ、ソーラーパネルとモバイルバッテリーについて紹介する。
モバイルバッテリー選びで押さえておきたいポイント
モバイルバッテリーの選定では、長期保管時の性能維持と安全性を最重視した。筆者は安全性を特に重視し、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用した製品を選んだ。しかし、一般的には通常のリチウムイオン電池を使用したモバイルバッテリーで十分だろう。
選ぶ際のポイントは以下の通りだ。
- 安全性:実績のあるメーカーの新しい製品を選ぶこと。最新の製品は安全性が向上している
- 容量:数日間の使用に耐えられる十分な容量があること。1万2000mAh程度あれば、スマートフォンを2~3回充電できる
- 出力:USB PD対応など、急速充電に対応していること。緊急時に素早く充電できる
- 入力:本体の充電が速いこと。ソーラーパネルからの充電にも対応しているといい
- 耐久性:防災用途なので、多少の衝撃や温度変化に耐えられること
- サイズと重量:携帯しやすいコンパクトさであること
リン酸鉄リチウムイオン電池は、700度という高温でも安定して動作し、熱暴走のリスクが非常に低い。しかし、最新の高品質なリチウムイオン電池でも、安全性は大幅に向上している。
自己放電率については、どちらも月に1~2%程度で、長期保管には十分な性能だ。つまり、自己放電率だけを見れば、リン酸鉄リチウムイオン電池にこだわる必要はない。
結局のところ、実績のあるメーカーの新しい製品を選ぶことが、最も現実的で信頼できる選択肢となるだろう。安全性、性能、価格のバランスが取れているからだ。
どのタイプの電池でも、適切な管理が重要だ。半年に1度程度の定期的な点検と充電を行い、極端な高温や低温を避けて保管することをお勧めする。
選んだモバイルバッテリー:エレコム リン酸鉄モバイルバッテリー(12000mAh/PD20W/C×1+A×1)
エレコム製の1万2000mAhモバイルバッテリーは、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用した数少ないモバイルバッテリーの1つ。この点が最大の決め手となった。
リン酸鉄リチウムイオン電池を選んだこともあり、重量は実測で309gある。手に持ってみてもずしりと重く感じる印象だ。充放電性能は一般的で、USB PDによる急速充電に対応している。
重量は、両方合わせて約740gとなる。非常用持ち出し袋に入れて歩いてみたが、もとから食料品などを詰めていたこともあり、追加の負担としてはそれほど大きくは感じなかった。
価格は執筆時点(2024年9月)で4609円。通常のリチウムイオン電池を使用したモバイルバッテリーと比べると若干高めだが、珍しいリン酸鉄リチウムイオン電池を採用していることを考えれば妥当な価格といえる。
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