“若者受け”の楽天モバイル、「高齢者はまだ弱い」 どう獲得するのか、三木谷氏の考えは?
「楽天モバイルは若者に利用されるが、老人には弱い」――。楽天グループが2月14日に開催した決算説明会。同会でこのような本音を漏らしたのは、三木谷浩史会長(楽天グループ社長を兼務)だ。
「楽天モバイルは若者に利用されるが、老人には弱い」――。楽天グループが2月14日に開催した決算説明会で、このような本音を漏らしたのは、三木谷浩史会長(楽天グループ社長を兼務)だ。
三木谷氏によると、世代別では若年層を中心に契約回線数が拡大しており、この要因にあるのが、楽天モバイルが2024年に打ち出した割引施作だという。「最強家族プログラム」「最強青春プログラム」「最強こどもプログラム」がそれに当たる。
これらの割引プログラムにより、若年層を中心に他社からの乗り換えが加速している。2024年1月末時点と2024年12月末時点の回線契約数の増加具合いを比較した資料によると、13~22歳は1.2%、23~29歳は2.6%、30~34歳は2.2%、35~39歳と40~44歳は1.6%増加した。
若者受けしている一方で、45歳以降の年代における契約数の増加率は若年層に比べて少ない。
ただ、楽天モバイルでは、65歳以上のユーザーが楽天最強プランを契約すると、毎月110ポイントを還元する「最強シニアプログラム」も提供しており、高齢者向けの施作を全く打ち出していない、というわけではない。
三木谷氏は「20代、30代、40代は大変強くなってきている」とした一方で、「特に60代を超えた世代からわれわれのマーケットシェアは極端に小さくなる」と明かした。
さらに、「都市部は強いが、地方の都市都道府県では、比較的まだ弱い」とも話す三木谷氏。今後の戦略については、具体的に明かさなかったものの、「ご高齢の方々へのアプローチと、地方の戦略を強化することに加え、楽天グループのシナジーをさらに高める」とした。
機関投資家の質疑応答パートでは、「2025年に1000万契約を上回りたい」と明らかにした。「2025年で還暦になる」と話す三木谷氏は、「他社で3GBに7000円も払っている(高齢の方々)人に、楽天モバイルがお得だと認知してもらうべく、地上戦を行う」考えを示した。地上戦とは、自分たちの足や、楽天モバイルショップを活用し、サービス認知度向上を図る、という意図だ。
【更新:2月15日13時5分】機関投資家向けの質疑応答パートでの発言について追記を行いました
関連記事
楽天モバイル、ホームルーター「Rakuten Turbo 5G」新機種を1月23日発売 6カ月間無料、2万ポイント還元も
楽天モバイルは、5G対応ホームルーター「Rakuten Turbo 5G」の新機種を1月23日に発売。月額料金が6カ月間無料で利用でき、「Rakuten最強プラン」を利用なら2万ポイントの楽天ポイントが還元される。楽天モバイルや楽天ひかりのSPU倍率アップ、エントリー必須に 25年2月から
楽天市場のポイントアッププログラム「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」が、2025年2月1日から特典の達成条件にエントリーが必要となる。対象サービスは楽天モバイル、楽天モバイル(キャリア決済)など。楽天グループの28期株主優待、楽天モバイルの音声+30GBが1年間無料に
楽天グループは、12月6日に第28期株主優待の優待内容を発表。楽天モバイルの「音声+データ30GB/月」プランを1年間無料で提供する。利用には専用サイトでの事前申込みが必要で、2025年3月中旬に開始する予定だ。楽天モバイル、MNP/紹介キャンペーンで1万ポイント還元に増額 新規契約で7000ポイント還元も
楽天モバイルは「Rakuten最強プラン」で実施しているキャンペーンの還元ポイント数を最大1万ポイントに増額。これまで楽天ポイント2000~7000ポイントのところ、7000~1万ポイントになる。期間は2025年1月7日8時59分まで。楽天モバイルの通信品質が改善したワケ 5Gやプラチナバンドの現状、ネットワーク戦略を竹下副CTOが解説
楽天モバイルは、11月27日に報道関係者に向けた「ネットワーク技術に関する勉強会」を開催し、ネットワーク戦略を説明。5Gは電波の出力を増強することで、関東地方のエリアを2.1倍に拡大させた。プラチナバンドは当初、1局のみの状態が続いたが、現在は複数局を運用しているという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.