クレカの「サイン決済」が原則できなくなるワケ 4月以降はユーザー/店舗にどんな影響がある?(2/3 ページ)
かつて、クレジットカードでの支払い時によく聞かれた「サインでお願いします」という言葉。このサインによる決済方法が、2025年3月末をもって原則廃止されることとなったのはなぜか? 原則廃止となる背景や、利用者視点での注意点や、店舗側にとっての懸念点を解説する。
なぜ暗証番号スキップ(PINバイパス)が廃止されるのか
では、なぜサイン決済が3月末で原則廃止となるのか。ここからは、利用者の視点で解説していく。クレジットカードの業界団体である「日本クレジット協会」は2025年4月から、「暗証番号の入力がないクレジットカードは(原則)利用できなくなる」と案内し、主に安全面について次のように言及している。
「お店でのカード不正利用の防止、お店のイメージアップ、カード会員様の安心・安全なクレジットカードライフのためにも、暗証番号入力を推進しましょう」(日本クレジット協会)
クレジットカードの業界団体である「日本クレジット協会」は、「暗証番号の入力がないクレジットカードは(原則)利用できなくなる」と案内し、不正利用の防止などにも触れ、暗証番号入力を推進したい考えを示している
日本クレジット協会が2022年に実施した消費者意識調査によると、サイン決済ができなくなった場合に困る人は約3割で、前回の調査からほぼ変わらないという。
さらに、「カード会員の8割超が暗証番号を知っている」とし、暗証番号を忘れる人はほとんどいないということを裏付けた。加えて、カード会員の8割近くが「カードを偽造されにくい」「カードを悪用されにくい」という安全性のメリットを評価しており、カード会員のセキュリティへの関心が高いとしている。
サイン決済は、暗証番号を忘れてしまったときにも利用できる手法だった。そして、不正利用された場合、筆跡確認が可能だが、第三者がカード所有者本人の筆跡をまねしてしまえば、筆跡確認は意義をなさない。仮に所有者本人であっても、サインを誤ってしまい訂正したり、後から上書きしたりしたりすれば、そのクレジットカードを使用できない。
関連記事
「楽天カード」は何が違い、どれがお得? プロパーカード4種類を比較してみた
楽天カード、楽天ゴールドカード、楽天プレミアムカード、楽天ブラックカードの4種類を比較。楽天カードを持つ一番のメリットは、楽天グループのサービスを利用することでさまざまな特典が受けられること。楽天カードは楽天グループの金融サービスの利用でもメリットがある。「dカード GOLD」「au PAY ゴールドカード」「PayPayカード ゴールド」の違いは? その特徴を徹底比較
2022年11月24日に「PayPayカード ゴールド」が登場したことで、3大キャリアのゴールドカードが出そろった。携帯キャリアのゴールドカードを契約する大きなメリットは、スマホの利用料金に対して10%のポイントがもらえること。どれも同じように思いがちだが、じっくり内容を吟味すると、意外とその中身は異なる。JRE POINTをお得にためられるクレジットカードは? おすすめの3つの紹介
JRE POINTは、鉄道の利用や駅ビル・駅ナカ店舗での買い物、JR東日本のクレジットカード「ビューカード」の利用などでポイントがたまる。JRE POINTは通常100円(税別)につき1ポイントたまるが、より効率的にためるために欠かせないのがビューカードだ。JRE POINTの効率的なため方と、おすすめのビューカードについて解説する。PayPayの「他社クレカ使用不可」は本当に改悪? メリットとデメリットを考えた
PayPayには、チャージしたPayPay残高から支払う、登録した「PayPayあと払い」またはクレジットカードから支払う、の2種類の支払い方法があります。しかし2023年8月1日以降は「PayPayカード(PayPayカードゴールド含む)」のみになります。3つのパターンを想定して、メリットとデメリットを考えてみました。Galaxy専用「Samsung Wallet」日本上陸 2月25日にサービス開始 「PayPay」「Vポイント」「Ponta」にも対応
Samsung ElectronicsがGalaxyスマートフォン専用サービスとして提供している「Samsung Wallet」が、日本に上陸する。クレジット/デビット/プリペイドカードでのタッチ決済に加えて、「PayPay」「Vポイント」「Ponta」にも対応していることが特徴だ。【更新】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.