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スマホから「FMラジオ機能」が消えつつある理由 メーカーで温度差、トレンドにそぐわない実情も(2/4 ページ)
スマートフォンに搭載されたFMラジオ受信機能「ラジスマ」は、災害時の情報源としての期待と一部のニーズがあるにもかかわらず、メーカーやキャリアの消極姿勢により対応機種が減少し続けている現状を探る。
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ワイヤレスイヤフォンの普及とFMラジオの相性問題
スマートフォンのFMラジオ離れに拍車を掛けている要因の1つが、完全ワイヤレスイヤフォン(TWS)の爆発的な普及だ。市場調査会社Canalysによると、2024年第2四半期のTWS出荷台数は7670万台に達し、前年同期比12.6%増加。初めて50ドル以下の価格帯が市場の半数以上を占めており、ワイヤレスイヤフォンは高級品ではなくなった状況も示された。
この状況がFMチューナー搭載スマホにとって致命的な問題となっているのは、FMラジオ受信には有線イヤフォンのケーブルが物理的なアンテナとして必須であるという技術的制約だ。TWSなどのワイヤレスイヤフォンでは原理的にFM電波を受信できない。さらに、Apple、Samsung、Xiaomiなど市場シェア上位メーカーのフラグシップモデルではイヤフォンジャック自体が廃止されており、有線イヤフォンを使用するにはUSB Type-C/Lightningアダプターが必要になるケースが一般的となっている。
「イヤフォンを挿してFMを聴く」という行為自体が、現代のスマートフォン利用環境とは相いれなくなっているのだ。民放連も「ワイヤレスイヤフォンが普及する中、ラジスマのFM波受信にはイヤフォンケーブルをアンテナとして使うため有線イヤフォンが必須」と、この矛盾を認識している。
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