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Apple、チタンケースの3Dプリント技術を解説 原料を400トン以上節約

Appleは、「Apple Watch Ultra 3」などで採用しているチタンケースの3Dプリント製造プロセスを紹介した。この製造方法で素材使用量を約半分に削減し、年間400トン以上の原料節約を見込む。内部構造の自由度が増し、耐久性やアンテナ性能が向上したとしている。

 米Appleは11月18日(現地時間)、チタン製ケース採用の「Apple Watch」の製造方法について解説するブログを公開した。


 「Apple Watch Ultra 3」とチタン仕様の「Apple Watch Series 11」のケースで採用している、10年以上取り組んできた3Dプリントの実験の成果である新しい製造プロセスを紹介している。


「Apple Watch Ultra 3」と「Apple Watch Series 11」(画像:Apple)

 ケースは「航空宇宙グレード」の再生チタン粉末を100%使用し、レーザーでチタン粉末を層状に焼結する積層造形方式で成形している。従来の鍛造や切削加工では、素材使用量や形状設計の制約が大きかったが、積層造形では必要な形状を直接積み上げるため、設計精度と素材使用効率が向上するという。実際、ケース1個当たりのチタン原料の使用量は約半分に減り、年間で400トン以上の原料を節約できる見込みという。

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 この製造方法で内部構造の自由度が増すことで、プラスチック部品との接合部分に微細なテクスチャを設けられるようになり、耐久性や気密性の向上につながった。また、セルラーモデルで重要なアンテナ周辺の構造も、従来方式では難しかった精密な形状を実現しやすくなったという。

 製造工程は、900以上のレイヤーを積み重ねて約20時間をかけて成形し、超音波洗浄やワイヤーソーによる切り分け、自動光学検査などの複数工程を経て仕上げられる。これにより、ケースの精度や強度が一貫して確保されるとしている。


製造工程(画像:Appleの動画より)

 この技術は、「iPhone Air」のUSB-Cポートにも採用している。このチタン製の新しいポートを開発することで、薄型でありながら耐久性に優れたデザインが実現できたとしている。

 Appleは、同社にとっての必須条件である機能性、美しさ、耐久性を守りつつ、2030年までの脱炭素化目標達成に向けて前進しており、これはその一環という。

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