「小型iPhone SEを復活させて」──手放せない理由SNSで話題 どこが“ちょうどいい”と評価されるのか(1/2 ページ)
MMD研究所が10月21日にスマホ利用調査を発表したのを機に、SNSで「iPhone SE」が大きな注目を集めている。調査結果を受け、SNSではなぜSEシリーズを使い続けるのかという理由や、ユーザーのこだわりについて関心が高まった。加えて、日本特有のスマホ市場の傾向についても言及する声が多く上がり、今回の発表を巡って多数の意見が交わされている。
SNSで「iPhone SE」が大きな注目を集めている。きっかけは、MMD研究所が10月21日に発表した、国内スマートフォンのメイン利用端末に関する調査だ。SNSでは、この調査結果を受けて、SEシリーズを使い続ける人の理由や、日本特有のスマホ市場の傾向について、多数の意見が交わされている。
発端となったMMD研究所の調査 「iPhone SEユーザーは最多」
MMD研究所が公開したのは、9月12日から9月21日にかけて実施した大規模調査だ。メインで使用しているスマートフォンを把握しているiPhoneユーザー1万6617人、Androidユーザー1万7704人を対象に、利用シリーズを聞いたところ、iPhoneでは「iPhone SE(第2世代、第3世代を含む)」が18.6%で最も多く、次いでiPhone 16が17.8%、iPhone 15が16.8%となった。AndroidではAQUOSが25.7%で最多、続いてXperiaが17.5%、Google Pixelが15.0%だった。
調査期間がiPhone 17発売前であったことや、サンプル数が3万件超と非常に大規模であることから、SNSでは「信頼性が高いデータ」と評価する声もある。
SNSで引用されているMMD研究所の調査データは、2025年9月中旬に約3.4万人へ実施した「メイン利用端末」の集計だ。結果、iPhoneユーザーは「SE」が最多の18.6%で、次いで「16」「15」と続く。一方Androidユーザーは「AQUOS」が25.7%で首位、以下「Xperia」「Pixel」の順となった。なお調査はiPhone 17発売直前のものである(出典:MMD研究所)
SNSでは“なぜSEが首位なのか”を中心に議論が拡大
iPhone SEを使い続ける理由としては、「どの新しいモデルが出ても“ホームボタンがないから”という点に尽きる」という意見が多い。SEユーザーの多くが「ホームボタン」に強い愛着を持ち、それが買い替えをちゅうちょさせている構図が見える。
価格に関する意見も目立つ。「iPhoneには“1円などの格安で購入できる”というイメージが定着しすぎて、高価格なハイエンドモデルが売れていないのでは」という声に対し、「AQUOSやXperiaも売れているのはエントリーモデル」「iPhone 16eもいずれ安価に提供される端末になる」といった回答が寄せられ、端末価格と購買行動の関係が議論された。
今回の調査データはメインスマホの利用状況を示すものだが、SNSには「社用スマホとしてSEが配られているからでは」「社用携帯をメインと呼ぶかは疑問」というやりとりも見られる。調査元が“大規模標本でのメイン利用”を前提としていることへの解釈違いも一部で見受けられた。
調査の母数については、「3万件では“日本”と銘打つには少なすぎるのでは」という声に対し、「信頼水準95%・誤差±3%なら1000人で十分。3万件はむしろ大規模」とする反論が寄せられ、統計的な妥当性についての議論にも発展した。
世代区分を巡る意見もあった。「iPhone SEを3世代分まとめるなら、他もまとめるべき」「iPhone 17から15までを全部まとめるべき」といった主張に対し、「シリーズモデルはProやPlusを含めてまとめているので比較として妥当」とする声もあり、分類方法の理解に揺れがあった。
iPhone SEを評価する声は圧倒的に多い
SNSにはSEを評価する声が非常に多く、コメントの大半はSEの「使いやすさ」や「持ちやすさ」を称賛する内容だった。
「コストパフォーマンスが最高」「iPhone SEが至高」「iPhone SEが一番使い勝手が良い」「4.7インチでA15を搭載した最小で最高性能の端末」「ゲームをせず、Xや決済アプリを使う程度なら十分」「コンパクトで軽い」「片手で操作できる唯一の選択肢」といった声が続き、画面大型化が進む現行モデルへの不満も随所にみられる。
特に多かったのは「ホームボタン」への支持だ。「ホームボタンこそが正義」「指が小さいのでSEしか無理」「顔認証より指紋認証が便利」「暗い場所ではFace IDが失敗しやすい」といった投稿が並び、操作性の好みがSE人気につながっている様子が分かる。
旧iPhoneの象徴ともいえたホームボタン。iPhone SEはこのホームボタンを搭載しており、一度押すだけですぐにホーム画面へ戻れる。「iPhone 5s」以降のホームボタンは指紋認証機能も兼ねたものとなっている(出典:「ホームボタン」の有用性を改めて考える記事)
中には「Appleは小さいスマホを出せば売れる」「初代のようなサイズ感の新機種を出してほしい」「SEが最後の希望」といった、メーカーへの要望も多い。
また、「iPhone SEが日本の市場を回していると言っても過言ではない」「SEから13や中古の15に機種変更する人が多い」といった、販売現場での実感に基づく意見も寄せられ、SEの存在感の大きさを指摘する声が目立った。
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