ニュース

「デジポリス」アプリ、海外からの着信通知を遮断 “特殊詐欺”の実態を踏まえ

警視庁は12月1日、防犯アプリ「デジポリス」に海外からの着信通知を遮断する機能を追加した。特殊詐欺に悪用される国際電話への対策として、新機能を活用し被害の未然防止につなげる狙いだ。設定により詐欺に使われる番号を自動遮断でき、無意識に危険な電話に出るリスクを低減できる。

 警視庁が12月1日、防犯アプリ「デジポリス」に海外からの着信通知を遮断する機能を追加した。国際電話は特殊詐欺の発信手段として悪用されるケースが多く、警視庁は新たな機能を活用することで、詐欺被害の未然防止につなげたい考えだ。アプリ内で所定の設定を行うと、詐欺に使われやすい国際電話番号からの着信通知を自動で遮断でき、ユーザー側で意識しなくても危険な電話を受ける可能性を下げられる。

 警視庁によると、特殊詐欺の電話の約8割が「+」から始まる国際電話番号だという。国際電話を利用すれば、発信元の特定が困難になり、国内の番号よりも詐欺に悪用されやすい。新機能はこの実態を踏まえたもので、アプリ側が詐欺電話を検出し、ユーザーの着信通知を遮断する仕組みだ。ただし、iOSとAndroidではOSの仕様によってブロック方法に差があるため、注意が必要だ。


警視庁が防犯アプリ「デジポリス」に国際電話拒否機能を追加した。特殊詐欺の約8割が国際電話を悪用している実態を踏まえ、設定するだけで危険な着信を自動で遮断できるようになった。痴漢撃退や見守り機能など既存の防犯機能と合わせ、利用者の安全確保を強化する狙いがある

電話帳や発信履歴にない番号はサイレント化されるため、病院や公的機関などからの緊急連絡に気付かない恐れがある点に注意したい。また、犯行に使われる番号が履歴にあると着信してしまうため、設定前に不要な履歴は削除しよう

 デジポリスは防犯情報をまとめて確認できるアプリとして提供されており、トップ画面にはユーザーが登録した地域の犯罪発生状況が表示される。「最新のメールけいしちょう」「最新のアポ電情報」「X(旧Twitter)」「最新情報」といった項目がリアルタイムで更新され、犯罪傾向や注意喚起が随時届けられる構成になっている。

advertisement

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.