“Switch 2と見せかけ箱だけ発送”を撲滅か メルカリが「偽装出品の禁止ルール」を明確に
1月9日、メルカリは「商品情報を偽装した出品および取引の禁止について」というページを公開した。以前からの禁止ルールを再案内し、どのような出品が違反に該当するのかという具体例を改めて明確にした。購入者が内容を正しく理解し、納得して取引を行える「安心・安全な環境」の整備を目的としている。
2026年1月9日、メルカリは「商品情報を偽装した出品および取引の禁止について」と題したページを公開した。メルカリは以前から「商品の詳細が分からない取引」を禁止していたが、今回の案内では、どのような出品が違反に該当するのかを改めて明確にした。購入者に商品の内容を正しく理解してもらい、納得した上で取引を行える環境を整備する。
背景は「空出品」などの悪質行為か Nintendo Switch 2の出品トラブルを振り返る
今回の案内の背景にあるのは、メルカリでの悪質出品だ。例えば、任天堂が2025年6月に発売したゲーム機の「Nintendo Switch 2」については、メルカリで高額な転売が相次ぎ、それ以上に悪質な手法を用いた出品が急増した。SNS上では運営側の対応の遅さを指摘する批判の声が殺到し、一般の人の関心を集めた。特に問題視されたのは、タイトルや写真で本体の販売を装いながら、実際には本体とは異なるものを送りつける巧妙な手口だ。
具体的な事例として、「ステキなSwitch 2の写真」を発送するという出品を挙げたい。概要欄には「新品未開封」や「身内で5つ当選した」といった、一見すると信頼できそうな記述があるものの、文末の目立たない場所に「写真が発送される」という意味の言葉が隠されていた。よく読まなければ見落としてしまう。
また、1万9194円という破格の値段設定で、実際には本体ではなく「買えなかった人の作文」を販売する出品も確認されていた。さらに、本体ではなく「箱だけ」を販売するケースもあり、長い説明文の間に「箱のみ」という言葉を紛れ込ませるなど、誤認を誘発する悪意ある構成が目立った。
こうした、一見しただけでは正体を見破るのが難しい詐欺的な出品が横行したことが、今回の厳格な方針発表の引き金となっているようだ。2025年6月当時、話題になったこれらの出品はすでに削除されているが、そのどれもが極めて悪質な出品といえる。
ただ一方で、メルカリは2026年1月現在もSwitch 2の出品自体は禁止していない。取引成立時の手数料が収益源である事実に加え、自由な取引を重んじる同社にとって、特定商品の即時禁止は安易に選択できない苦渋の決断なのだろう。
禁止される具体的な行為とは マーケットプレースの基本原則も改めて示す
メルカリは2026年1月9日、公式サイトとメルカリお客さまサポート公式Xアカウント(@mercari_sg)にて、商品の詳細が不明瞭な取引や、情報を偽装する行為を明確に禁止すると案内した。具体的には、商品名や説明文に具体的な内容の記載がないもの、画像が極めて不明瞭なもの、そして実際の商品とは異なる画像や情報を用いて出品する行為が対象となる。事務局が不適切と判断した場合には、商品削除や取引キャンセル、さらには利用制限といった措置を講じる。
今回の取り組みの根幹にあるのが、同社が掲げる「マーケットプレースの基本原則」だ。この原則は、安全であること(Safe)、信頼できること(Trustworthy)、人道的であること(Humane)の3つの柱で構成される。Safeにおいては、身体や生命に危害が加わるものだけでなく、犯罪につながる取引の排除を誓っている。Trustworthyでは、商品情報の正確性と誠実な取引を求めており、手元に商品がない状態での出品や販売を目的としない出品を禁じている。そしてHumaneでは、多様な価値観を尊重し、誹謗中傷や差別を助長する行為を許さない姿勢を示している。
マーケットプレースの基本原則では、安全・信頼・人道の3本柱を掲げ、犯罪排除や正確な情報提供、多様性の尊重を重視する。手元にない商品の出品や差別を禁じ、安心・安全な取引環境の実現に向けた姿勢を示す(出典:メルカリ「マーケットプレースの基本原則」)
これらの原則は、誰もが安心して参加できる多様で自由な市場を構築するためのよりどころであり、今回の偽装出品の禁止に関する案内も、この信頼の構築という目的に結び付く。
対話を通じて「安心で健全な取引環境」を目指す
メルカリは、これらの基本原則に基づきながら、社会情勢の変化や利用者からのフィードバックを反映させる柔軟な姿勢も改めて示している。単にルールを押し付けるのではなく、利用者との対話を積み重ねることで「より良いマーケットプレース」を創り上げていくことが目標だ。その一環として、専門スタッフによる運営体制の強化に加え、AIを活用した監視システムを構築し、不正出品の事前検知と早期対応に注力しているという。
不正出品やトラブルが急増し、マーケットプレース内の安心と安全が著しく損なわれる可能性があると判断した商品については、出品禁止を含む強力な対応を実施する場合があるとしている。特に判断が難しいケースについては、幅広い視点から議論を行い、その結果を速やかに規約やガイドへ反映させる方針だ。
メルカリは、利用者だけでなく、配送事業者や消費者団体、関係当局など、あらゆるステークホルダーとの継続的な対話を通じて、循環型社会の実現に貢献し、より良いマーケットプレースを目指していくとしている。
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