KDDI、不適切取引の影響で3Q決算を延期 マイナス影響は計最大1100億円規模に(2/2 ページ)
子会社における不適切取引の発覚を受け、KDDIは第3四半期決算の発表を延期した。一方で公表された業績参考値では、ARPUの反転上昇や金融事業の躍進により本業の好調さが示された。今後はガバナンス強化を図りつつ、AI事業会社の設立やネットワーク基盤の拡充でさらなる成長を目指す。
金融も成長、AIは事業会社設立でさらに強化
これまで「課題」とされてきた金融事業も2桁成長と改善している。金融部門を担当するauフィナンシャルホールディングスの営業利益は、第3四半期単独で前年同期比30.5%増の380億円となった。主にクレジットカード事業が増益をけん引している。
auじぶん銀行の預金調達力も向上し、預金残高は前年同期比1.3倍に拡大した。au PAYカードも1063万会員と同6.2%増。特にゴールドカードは同24.5%増の183万会員に拡大した。同社の取締役執行役員常務の勝木朋彦氏は、預金調達に関してはマネ活2によって拡大した他、ボーナス商戦期のキャンペーンも奏功したと説明。ゴールドカードに関してもマネ活2の影響があったと話した。
AIへの注力も進める同社は、大阪堺のデータセンターの開業に加え、2月には宮崎に通信拠点を立ち上げ、今後AIデータセンターとして拡大する計画。関東圏に加えて通信基盤とAI基盤を組み合わせて遅延の少ないAI基盤を構築する「AIデジタルベルト構想」を披露した。
国内では、大規模なデータセンターだけでなく局舎を活用して処理を分散した基盤の構築によって全国をカバーする「ベルト」を構築していく考えだ。さらにこの構想には、KDDIが有する全国の陸揚局も取り込み、光海底ケーブルを結んでグローバルに対するハブ化も狙う。
こうした背景からAI事業会社として「KDDIアイレット」を設立。AIの案件創出から開発運用までを一気通貫で支援する体制を構築する。2028年度には3000人規模まで拡大する考えだ。
松田氏は、不適切な取引に関して謝罪するとともに、特別調査委員会の調査と並行してグループガバナンスの強化と見直し、再発防止策を検討していくと強調する。調査報告書は3月末をめどに受領・公表し、同時に過年度決算の修正と第3四半期決算の開示を行う予定だ。なお、2026年3月期の決算発表は予定通り実施するとしている。
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