銀行連携を強化したauの新プラン「マネ活2」を解説 強すぎる“ゴールドカード推し”は不安材料に:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)
KDDIは12月1日に、「auバリューリンク マネ活2」や「使い放題MAX+ マネ活2」を導入する。傘下のauじぶん銀行との銀行連携を強化し、預金残高に応じた特典を用意。一方、特典の条件を子細に見ていくと、ゴールドカードの獲得を増やしたいKDDIの思惑も見え隠れする。
KDDIは12月1日に、「auバリューリンク マネ活2」や「使い放題MAX+ マネ活2」を導入する。現状で提供している「auマネ活プラン+」をアップデートする形となり、特典部分が大きく変更になる。もともと、auマネ活プランは既存の料金プランに金融特典をオプション的に組み合わせたもの。マネ活2でもそれを踏襲しており、auバリューリンクプランや使い放題MAX+はユーザー側で選択できる仕組みだ。
強化したのは、傘下のauじぶん銀行との銀行連携だ。他社の“ポイ活プラン”とは異なり、特典を3つに分けてそれぞれの仕組みで還元する。同料金プランを投入した背景には、auじぶん銀行の強化とともに、決済・金融連携の料金プランで差別化しつつ、ユーザーの解約率を抑えたいKDDIの狙いがある。ここでは、その詳細を解説していく。
オプション的な位置付けのマネ活2、割引はauスマートバリューのみに
KDDIのauマネ活プランは、1つの独立した料金プランというより、基本となる料金プランがあり、そこに付帯するオプションに近い位置付けのものだ。6月に「auバリューリンクプラン」が登場した際には、auマネ活プラン+の“マネ活”部分をそのままつけた「auマネ活バリューリンクプラン」を合わせて導入。使い放題MAX+がベースになったauマネ活プラン+と併存している。
NetflixやAmazonプライム、YouTube Premiumなどのコンテンツをセットにした「○○パック」も扱いはそれに近く、現時点ではauバリューリンクプランだけでなく、使い放題MAX+にセットした料金プランを選択できる。それぞれを1つの料金プランと捉えると、プラン数が膨大な数になっているように見えるが、基本的なプランは2つで、そこに金融・決済連動やコンテンツパックをつけられると考えれば理解しやすいだろう。
同様に、マネ活2も、auバリューリンクプランだけでなく、使い放題MAX+につけられる他、「Netflixパック」や「ドラマ・バラエティパック」「DAZNパック」などを選択することも可能だ。12月1日には、このマネ活+の部分がマネ活2にアップデートされるというわけだ。KDDIの代表取締役社長CEOの松田浩路氏も、「分かりやすく、使い放題プランに金融(・決済連動サービス)を追加できる形になっている」と語る。
ただし、単純なオプションとは異なり、マネ活2を付けるとベースの料金での割引が変更になる点は、やや理解が難しいところといえる。通常のauバリューリンクプランや使い放題MAX+は、固定通信とのセット割の「auスマートバリュー」に加えて、家族割引の「家族割プラス」やクレジットカード割引の「au PAYカードお支払い割」が用意されている一方で、マネ活2がつくと割引はauスマートバリューの1つに集約される。
月額料金は、各種割引適用前がauバリューリンク マネ活2で9328円、使い放題MAX+ マネ活2だと9108円。ここに、1100円のauスマートバリューが加わると、前者は8228円、後者は8008円まで下がる。この金額は、現行のauマネ活バリューリンクプランやauマネ活プラン+と同じ。割引適用前の金額だと、ベースとなる料金プランよりも1320円高い。
また、割引を全て充てた場合の金額は、auバリューリンクプランが5478円なのに対し、マネ活2が付いたauバリューリンク マネ活は8228円で、その差が2750円に広がる。これは、マネ活2になると、家族割プラスやau PAYカードお支払い割といった割引がなくなるためだ。特にauバリューリンクプランでは、家族割プラスが最大1210円と比率が高いため、条件を満たした場合の差額が大きくなる。一方で、マネ活2は、その差額以上の恩恵もある。それが、金融・決済特典だ。
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