コラム

販売スタッフの目線から見た「2025年冬~2026年春商戦」元ベテラン店員が教える「そこんとこ」(2/2 ページ)

昨今、携帯電話業界から「学割」という概念が薄れつつある。そんな中、携帯電話の販売スタッフは何を考えているのだろうか。話を聞いてみた。

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「学割」が弱い今、ユーザーを引き留める策はあるのか?

 ここまで聞いた通り、今シーズン“も”学割キャンペーンは集客観点において弱い。

 販売台数のブースター的に使いたくても、以前のような強いプランやキャンペーンではないので、市場の需要はあれどそれに応えられないこと、さらに他事業者への流出につながりうる状況は、販売現場にとって相当なストレスとなっているようだ。

 では、この状況で「それでも流出を引き止める」「販売台数につなげる」ために、どのような取り組みをしているのか、聞いてみよう。

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 シンプルにいえば、“囲い込み”をしています。今なら光/CATVインターネット、(小売)電力、クレジットカードなど、いろいろと携帯電話以外のサービスでどうにかお買い得感を出して囲い込むことで、「他社を検討するよりも、このままお子さまの携帯電話/スマートフォンまで含めて使ってもらった方がお得ですよ」と訴求するしかありません。

 意外とインターネット回線や電力は「昔のまま」の契約というお客さまが多いんですよね。例えば「今の家に引っ越したときに勧められたものを、そのまま使っている」という感じです。

 (NTT東日本/NTT西日本の回線を利用した)コラボ光サービスや小売電気の自由化は、どちらも始まってそろそろ10年がたちますけど、サービスの切り替えは「意外と面倒くさい」とノータッチのお客さまが多いので、「弱い学割に代わる、新しい“お得”」という観点で訴求することで、どうにか囲い込んで留まってもらっています。

 お子さまの携帯電話の契約となると、お子さまだけでなくお財布を握っている保護者が一緒にご来店していることも多いので、普段に比べてこうした「家庭で使うもの」の契約を獲得しやすいというのもあります。

 確かに、携帯電話以外のサービスは、複雑ながら「家族全員に割引が適用される」「ポイント還元率がアップする」など特典も多く、その割引を合計すれば実質的な支払い額を以前の「学割」に近づけることはできる。


話を聞く限り、小売電気は意外と大きな商材になっているようだ

 ただ一方で、こうした声もあった。

 確かに色々説明して、囲い込む提案がお客さまハマれば店としては「台数」にもなるし、「携帯電話以外のサービスの獲得」の積み増しにもなりますから、うれしいことこの上ありません。

 

 ただ、そうなるとやはり≪(サービスの)b説明にかかる時間が長くなります。複雑なポイント還元の話などもありますし、お子様の携帯電話だけの契約から、インターネット回線、でんき、クレジットカード、場合によってはご両親の料金プラン変更と行う手続きも増えていきます。

 売っている私たちも疲れますけど、それ以上にお客様が疲れていっているのを見ていると、なんだかな~という気持ちにもなります。」

 こういう提案や獲得がしやすい時期だからこそ、普段よりも(獲得)目標が高く設定されています。なので、どうしても「どうにかしてでも売らないと、獲らないと」と躍起になってしまいます。疲れますよね。

 お客さまに“必死さ”が伝わってしまって、むしろ買わないとなってないか、心配です。

 来客の理解度にもよるが、囲い込むためのサービスを複数提案するとなると、どうしても説明にかかる時間は長くなる。以前に比べて店頭で携帯電話の購入手続きを行う人は減っているとはいえ、それでも1台売るよりも長い時間相対する必要があるのはスタッフ、それ以上に来客にも負担がかかることに不満を感じているといった声も多く聞いた。

もはや販売強化には「学割」は効果が薄い

 今回、いくつかの店舗で学割や時期的な需要の有無について話を聞いてきたが、以前のような大きな販売促進(強化)に期待できないというのが現場の本音だ。

 もちろん、新生活に向けた春商戦がなくなるわけではないし、進級や進学という節目で携帯電話を購入する人がいなくなるわけではない。しかし、以前ほど「施策効果による爆発力」のようなものへの期待は薄まっている。

 「秋のiPhone祭り」も薄れ、携帯電話やスマートフォンの「夏モデル」「冬モデル」といった形での一斉発表もなくなった中、学割施策や需要によるお祭り効果も薄いとなると、携帯電話コーナーの賑わいを見ることはしばらく難しいのかもしれない。

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