厚さ4.6mm、磁石で合体するTECNOの“モジュール型スマホ”は「Moto Mods」の夢を見るか
TECNOがMWCで発表したモジュール型スマホは、4.6mmの超薄型ボディーに、バッテリーやカメラなど多彩なモジュールを複数連結できる。従来の製品よりも構成の自由度が格段に高い。実用化にはプラットフォーム維持の課題が残るが、独自の薄型化技術を生かした次世代の拡張案として注目される。
インドやアフリカを中心にスマートフォンを展開するTranssionグループ。TECNO、infinix、Itelの3社を傘下に収めており、インド、アフリカ、東南アジア地域の新興国を中心に人気を博している。
その中でもTECNOは、技術投資も盛んなメーカーだ。今回、MWCにて予定通りマグネット端子を用いて機能を拡張するモジュール式スマホ「TECNO MODULAR MAGNETIC INTERCONNECTION TECHNOLOGY」のコンセプトモデルがお披露目された。
複数のモジュールを組み合わせて装着できる
本機種は薄型のベーススマホにマグネットで装着できる「モジュール」を用いて機能を拡張していくスマートフォン。コンセプトとしては、かつてモトローラが展開していた「Moto Mods」に近い。ベースモデルにバッテリー、カメラ、スピーカーといった機能を追加し、必要に応じて最適なものを使っていくコンセプトとしている。
注目したいのは、TECNOが得意とする薄型化技術を応用した点だ。ベースとなるスマートフォンの厚さは4.6mmと極薄で、多くのモジュールを装着しても厚みを抑えられる。マグネット式の端子を本体に4点備えており、それぞれから給電が可能。本体の上下で異なるモジュールを取り付けることもできる。
取り付け可能なモジュールは多岐にわたる。3000mAhの薄型バッテリー、ボイスレコーダー、スピーカー、トランシーバーに加え、大型のカメラモジュールやアクションカメラ、既存のスマホカメラに取り付けるテレコンバーターレンズも用意。また、マグネットを生かしたスタンドやクリップも用意しており、そのラインアップはコンセプトながらも多岐にわたる。
今回のコンセプトが今までのモジュール型スマホと異なるのは、本体に複数のモジュールを取り付けられること。例えばバッテリーモジュールを4枚取り付けて容量を1万2000mAh分増量させたり、スピーカーとトランシーバーモジュールをそれぞれ取り付けたりもできる。今まで触ってきたモジュール型スマホの中では格段に構成の自由度が高い。
一方で、全てのモジュールが端子から電源や信号のやりとりをしているわけではなく、例えば大型のカメラモジュールは別途Wi-Fiで信号のやりとりを行っていた。このあたりは製品化前提ではないコンセプトモデルであることがうかがえる。
「Moto Mods」の再来に期待も、プラットフォーム依存が課題か
本機種はあくまでコンセプトモデルなので、このまま販売する予定はないものの、モジュール型というアイデアはかつてのMoto Mods同様にユニークだと感じた。昨今の薄型化技術や大容量バッテリー、低遅延かつ高速通信可能な通信規格などの条件がそろえば、より実用的になるのではないかと思う。
今回のコンセプトでは、マグネットで簡単に取り付け可能なテレコンバーターレンズでの、スマホの望遠性能を補完するアプローチとして有効だと感じた。既にOPPOなどがこの手の製品は展開しているが、かなり本格的な仕様となっているため、可搬性では大きく劣る。今回のコンセプトのように手軽にサクッとつけられると日常でもかなり使いやすいと感じた。
一方で、同じモジュール型スマホのMoto Modsがうまくいかなかった背景には、端末のサイズや端子間の伝送性能などに制約が出てしまうことが問題として挙がった。ベースとなるスマートフォンの開発も難しく、サードパーティー製のModsも登場しなかったことも普及を阻んだ要因だろう。TECNOがモジュール型スマホを出したとしても、プラットフォームビジネスとしてどこまで成功するかは未知数の部分がある。
TECNOはこの技術をどのような形でスマートフォンに生かしていくのか。今後の動向に注目したい。
著者プロフィール
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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