好調Tecnoの折りたたみスマホの課題は“重さ” 後継機は薄型軽量化で衛星通信対応か?:山根康宏の海外モバイル探訪記
世界のスマートフォン出荷台数ランキングでトップ5位入りの常連となったTranssion。その傘下のTecno初の折りたたみモデル「Phantom V Fold」が発売されてからほぼ1年が過ぎ、そろそろ後継機が気になるところです。Phantom V Foldは発売時、「世界最安の横折りスマホ」でしたが、重いのが課題でした。
世界のスマートフォン出荷台数ランキングでトップ5位入りの常連となったTranssion。同社は傘下にInfinix、Itel、Tecnoの3社を持ちます。この中でもTecnoは他社に負けじと2023年に折りたたみスマートフォンも投入し、技術力の高さを誇示しました。しかし同社初の折りたたみモデル「Phantom V Fold」が発売されてからほぼ1年が過ぎ、そろそろ後継機が気になるところです。
Phantom V Foldは発売時、「世界最安の横折りスマホ」でした。しかし価格を抑えた分、本体設計に余裕を持たせたのか重量は299gとやや重くなっています。ちなみにGoogleの「Pixel Fold」は283g、サムスンの「Galaxy Z Fold5」は253g。一方中国メーカーを見ると2024年3月に発表されたvivoの「X Fold3」が219gとなり、一気に軽量化が進んでいます。Phantom V Foldはそれと比べるとかなり重い部類に入ります。
恐らく2024年に登場するPhantom V Foldの後継機はサイズダウンして出てくるでしょう。重量はもちろん、本体の厚みも薄くなることが期待されます。また開いたときのディスプレイサイズは7.85型ですが、より大型化するかもしれません。
一方、新しい機能の搭載も予想されます。最近ではスマートフォンから衛星通信が利用できるモデルが増えていますが、Tecnoも対応製品を開発中です。2024年2月に開催されたMWC Barcelona 2024ではPhantom V Foldの衛星通信対応モデルを参考出品。本体デザインもよりスタイリッシュなものにしました。この衛星対応モデルをPhantom V Fold Proなどの名前で出す可能性もあるかもしれませんが、それとは別にやはり薄型軽量モデルを出してくるでしょう。
Phantom V Foldは既に5000万画素カメラ2つと1300万画素カメラを搭載しており、カメラ性能も優れています。とはいえ、カメラの高画質化で価格が上がるようでは売れ行きに影響してしまいます。価格はなるべく抑えたままで全体のブラッシュアップを行ってほしいとも思います。
2024年はGoogleもサムスンもより薄く軽いモデルを出してくるでしょう。Tecnoとしてもこの2社に加え中国メーカーとの競争もありますし、何よりもインドや新興国で最先端端末を生み出すメーカーとしてアピールしていく必要があります。世界各国で存在感を知られるメーカーになりつつある今、Tecnoの出してくる新製品は日本からも注目するべきでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
vivoの折りたたみ最上位「X Fold3 Pro」に触れる 薄くて高性能で、画面内指紋センサーにも対応
中国メーカーの折りたたみスマートフォンは、元祖折りたたみメーカーであるサムスンの製品を上回る性能と仕上げのモデルが次々と登場しています。vivoの「X Fold3 Pro」は折りたたみデザインながらも、ディスプレイに指紋認証センサーを内蔵。カメラもかなり高性能です。
「OnePlus Open」で折りたたみスマホ市場に参入したOnePlus OPPOのダブルブランドで攻める
OnePlusは2023年10月に「OnePlus Open」で折りたたみ市場に参入し、米国やインドで販売中です。ヴィーガンレザーの背面に「1+」のロゴを入れたOnePlus Openは高級モデル。OnePlus Openは、実はOPPOの「Find N3」のOEMモデルで、両者のハードウェアスペックは同一です。
折りたたみスマホの価格破壊 14万円のHONOR「Magic Vs2」は“横折り世界最軽量”229g
HONORは世界最薄の折りたたみ「Magic V2」やファッション製品を狙った「V Purse」を投入。プロセッサにSnapdragon 8+ Gen 1を搭載しており、2世代前とはいえ今でも十分な高性能です。229gの重量は横折り型のスマートフォンでは最軽量です。
中国メーカーTranssionが「スマホシェア世界5位」に上り詰めた理由 上位メーカーの脅威に
スマートフォンの世界シェア順位5位にTranssionが浮上した。IDCのデータによると、2023年第2四半期のスマートフォン出荷台数順位はSamsung、Apple、Xiaomi、OPPOの後にTranssionが続いた。高性能スマートフォンも次々と送り出すことで上位メーカーを脅かす存在になろうとしている。
中国Tecnoの縦折りスマホ「PHANTOM V Flip」を「Galaxy Z Flip5」と比べてみた
新たな縦折り型のスマートフォン「PHANTOM V Flip」が中国Tecno(テクノ)から発表されました。2月発表の横折モデル「PHANTOM V」に続き、今度はスタイリッシュな縦折モデルを出してきたのです。そこでサムスンの「Galaxy Z Flip5」と比べてみました。





