GACKTから着信してびっくり? 新アプリ「POPOPO」の所感と、ライブ配信の通知で感心した“ズル賢い正攻法”(2/2 ページ)
庵野秀明氏やひろゆき氏らが手掛ける3Dアバター通話アプリ「POPOPO」がリリースされた。OSの着信機能を活用し、配信開始を「電話」として届ける“UXハック”に感心した記者が解説する。
ライブ配信の告知を「見てね、お願い」から「着信」へ昇華させている
筆者がPOPOPOをインストールした日、仕事を終えてから犬の散歩をしていたところ、iPhoneが着信音とともに震え出した。画面には大きく「GACKT」の文字。まるでGACKT氏から電話が来たように見えるが、これはPOPOPOの機能「スーパーコール」だ。
公式の説明によれば、スーパーコールはライブ配信を始めてから1回だけ発動できる「一斉着信通知」機能だ。誰かとの通話を外部にライブ配信し始めた配信者が本機能を使った瞬間、そのユーザーのフォロワーのスマホが電話の着信として通知を受け取ることになる。
これはiPhoneの場合、iOSの「CallKit」というフレームワークを活用している。本来はLINEのような通話機能を持つアプリが、OS標準の電話アプリのように振る舞って着信させたり電話関連機能を使ったりするための仕組みだが、POPOPOはこれを「フォロワー全員への一斉通知」という役割としてライブ配信の導線に組み込んだ。Androidも同様だ。
実際に18日の夜、XではGACKT氏をフォローしていた人々が「GACKTから着信来た!」「急に来て草」「一瞬あせったけど、POPOPOの通知だった」といった驚きを示すポストが相次いでいた。
こういった配信アプリがライブ配信開始を知らせる場合は、OSのプッシュ通知を活用するのが一般的だ。しかし、増え続けるアプリ通知の中からユーザーに通知をタップしてもらう(可処分時間を獲得する)のは、プラットフォーマーにとって至難の業でもある。
電話が着信すると、ユーザーは応答か拒否の二択を迫られることになる。プッシュ通知が「配信が始まったから見に来てほしい」という弱気なメッセージだとしたら、スーパーコールは「今すぐ出ろ」という、物理的かつ心理的な強制力を持ったアプローチだ。このインパクトは絶大だ。
いわばシステムの仕様を逆手に取った“通知の強行突破”は、“ひろゆき”っぽいというか、ニコニコっぽいというか、ニヤリとしてしまうところだ。もちろん、設定でオフにすることも可能だが、デフォルト設定での「推しからの着信」という体験は、受動的なリスナーを能動的な参加者へと一瞬で変貌させるパワーを秘めているかもしれない。
先行サービスの高い壁と、POPOPOが描く「通話」の未来
もちろん、課題も少なくない。POPOPOにハマる層は、おそらく先ほど挙げたREALITYやSpoon、IRIAMといった他社のアプリを既に楽しんでいる層と重なるだろう。逆に言えば、こうした既存のライブ配信文化になじみのない一般層をどこまで引き込めるかは、かなり難易度の高い挑戦になるはずだ。
よって今後のカギを握るのは、先行するサービスが長い時間をかけて磨き上げてきた高い機能性やコミュニティー形成、収益化の仕組みを、いかに迅速に実装できるかではないだろうか。
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