ドコモがコアネットワークの完全仮想化を完了、通信の信頼性向上を目指す
NTTドコモは4月2日、モバイル音声サービスやデータ通信サービスの提供基盤であるモバイルコアネットワークの完全仮想化を完了したと発表した。3Gサービスの終了に伴い、設備を汎用サーバ上のソフトウェアで構成する仕組みへ移行した。障害発生時の自動復旧や、通信量に応じた設備容量の自動拡張が可能になる。
NTTドコモは、モバイル音声サービスとモバイルデータ通信サービスの提供基盤であるモバイルコアネットワークの完全仮想化を完了した。2026年3月末までに実施したネットワーク設備の切り替えと、3Gサービスの終了に伴う措置となる。
コアネットワークは、従来の専用ハードウェアに依存した構成から、汎用(はんよう)的なサーバ上でソフトウェアとして機能を実装する構成へと移行する。ドコモはより柔軟で安定性が高く、かつ省コストな通信基盤への進化を目指す。
従来のコアネットワークは機能ごとに専用ハードウェアを用いていたため、設備増設や構成変更に時間を要し、故障時には現地での保守作業が必要という課題があった。ドコモは2005年から仮想化の研究に着手し、2016年には複数ベンダーのソフトウェアを統合基盤上で動作させる運用を開始するなど、段階的に移行を進めてきた。今回の完全仮想化により、ネットワーク全体をソフトウェアで柔軟に制御できる体制を整えた。
導入による効果として、通信の信頼性向上が挙げられる。設備障害を自動検知して別のリソース上で機能を再構成する「オートヒーリング」が全域で実行可能となり、安定したサービス提供に寄与する。
また、トラフィック増加時に設備容量を自動で拡張する「オートスケーリング」により、災害時などのつながりやすさも向上する。さらに、汎用サーバの集約利用で設備スペースや消費電力を削減し、環境負荷の低減も図る。
仮想化の実装は、シスコシステムズ、デル・テクノロジーズ、NEC、エリクソン・ジャパンなどのパートナー各社との協力によって進めてきた。
なお、完全仮想化を実現したのは5GC(5Gコアネットワーク)やEPC(4Gのコアネットワーク)、IMS(音声通話を制御するコアネットワーク)などのモバイルコア機能であり、ルーターやスイッチなどのネットワーク機器、ドコモが今後も仮想化を予定していない一部機能は含まれない。
今後は設備構築の自動化やコスト低減に最新のクラウド技術を活用する。オンプレミスに加えてパブリッククラウドも活用したハイブリッド構成の構築を推進し、ネットワークのさらなる高度化を進めていく。
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