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ドコモ前田社長が語る「通信品質1位」への道筋 銀行業でd経済圏を加速、新AIエージェントも提供へ(1/2 ページ)

NTTドコモの前田義晃社長に、銀行連動サービス、通信品質、AIサービスについて聞いた。通信品質は2025年度に他社と並び、2026年度に1位を目指す。住信SBIネット銀行を子会社化したことで「融資」を軸とした金融サービスを強化する。

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 ITmedia Mobileでは、NTTドコモの前田義晃社長にインタビューする機会を得た。2025年のドコモは、4月に新料金プランを発表し、5月には住信SBIネット銀行の子会社化を発表するなど、大きな動きが起きている。一方で、課題となっているネットワーク対策の現状も気になるところ。

 今回は前回の料金プランに続き、銀行業、ネットワーク、AIについてのトピックをお届けする。

前田義晃
NTTドコモの前田義晃社長

銀行サービスは2026年から 住信SBIネット銀行の子会社化で「経済圏」を加速

―― 金融サービスについて伺います。住信SBIネット銀行の子会社化で、ついに念願の銀行サービスを手に入れることになります。会見では具体的なサービス内容について触れる時間がなかったようですが、もう少し詳しく教えていただけますか。

前田氏 まず、基本的な部分から申し上げると、住信SBIネット銀行が弊社グループに加わりますので、そこで口座を開設していただき、例えば通信料をお支払いいただいたり、やdカードの引き落としを設定していただいたりすることで、ポイント還元をするようなサービスはありますよね。

 ご存じの通り、今は他行さんにご協力いただいて決済を行っている状況です。その場合、手数料を支払うことになりますが、グループ内に銀行を持つことで、その分を原資にポイントとしてお客さまに還元できるようになります。これは、やはり「経済圏」ならではの強みであり、組み合わせで使っていただくことで、どんどんお得になっていくサービスを提供していきたいと考えています。

 弊社はこれまでも決済、証券、ローンといったさまざまな金融サービスを提供してきましたが、これらをシームレスにまとめていきたいという思いがあります。しかし、それを実現するためには、銀行としての基幹機能がないと難しい。今回銀行をグループに迎えたことで、それが格段に作りやすくなります。ですから、ワンストップでまとまったサービスを、正式な手続きが完了する秋以降にしっかり作っていきたいと考えています。

 具体的に申し上げれば、銀行はやはり「融資」という機能を持っています。住宅ローンは定型的な例だと思いますが、お客さまのさまざまなライフイベントにおいて、資金の面で支えることができるようになるでしょう。住信SBIネット銀行は非常に強い領域を持っていますので、ここをドコモのサービスと一緒に使っていただくことで、大きな相乗効果を生み出せると思います。

 また、われわれは決済やポイント利用を通じて、お客さまの消費行動に関するさまざまなデータを蓄積しています。ここに銀行のデータが加わることで、お客さまが生活の中で「お金をどう使っているか」という情報も理解できるようになります。メインバンクとして使っていただくことが前提になるかもしれませんが、お客さまのライフステージやライフスタイルに合わせた、よりパーソナルな提案が可能になると考えています。そうしたことを進めていきたいですね。

ドコモ銀行
ドコモが銀行業に参入することで、スマートフォンだけで貯金、決済、投資、保険、融資、ポイントなどの金融サービスを一元的に提供可能になる(画像は5月29日のニュースリリースより)

―― サービス名、銀行の名前はもう決まっているのでしょうか。

前田氏 まだ決まっていません。もちろん、変更していくことになると思います。われわれがグループとして銀行業を始めたことがお客さまから見て明確に分かるように、ドコモの名前や「d」の冠を入れていくことになると思います。このあたりは、三井住友信託さんとも相談しながら進めることになります。

―― 実際に銀行サービスを開始するタイミングは2026年以降になるのでしょうか。

前田氏 銀行はグループに入ってもらいますが、銀行業自体はずっと継続しています。弊社として完全に連結化されるのが2025年秋です。ですから、秋のタイミングでわれわれがグループとして銀行業をしている状況が生まれるということです。さまざまなサービスを連携させるには、もちろん開発が必要です。そこは検討と開発を進めさせていただき、デジタルサービスが始まるのは来年度(2026年度)以降になると思います。ただし、店頭で住信SBIネット銀行の口座開設をお勧めすること自体は、特に待たなくてもできる話ですので、そこは速やかに進めていきたいと考えています。

―― 店頭で口座獲得をするという点で、ドコモショップの役割が重要になると思いますが、コロナ禍以降、ショップ数が3割減ったと思います。銀行業を始めることで、その方針は変わってきているイメージでしょうか。

前田氏 いえ、銀行業があるかどうかに関わらず、ショップを減らすという方針は既に撤回させていただいています。今の競争環境を考えると、ショップを減らしていいとはわれわれも思っていません。そして、銀行の話もそうですが、通信だけでなくさまざまなサービスをご利用いただくことで、事業全体を成長させていきたいと考えています。それはドコモだけでなく、さまざまなパートナーの方々と一緒に進めることで実現できると認識しています。その大きな力が、ドコモショップや量販店といったチャネルにあることは事実ですので、これらはどちらも充実させていく方針です。

―― つまり、ショップ数を今増やしているということでしょうか。

前田氏 トータルで言うと、今は増やそうとしています。ただ、やはり人があまりいらっしゃらない場所など、全ての店舗で同じようにというわけではありません。現状で言えば、トータルで見るとそれほど数は変わらないかもしれませんが、お客さまにどんどん来ていただけるのであれば、数を増やしていきたいという思いはあります。

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