2026年は“フラグシップ不在”のNothing それでも「Phone (4a)/(4a) Pro」で戦えると自信を見せる理由
Nothingがミッドレンジの最新スマホ「Phone (4a)」と「Phone (4a) Pro」を国内投入する。標準モデルはau、Proモデルは楽天モバイルが扱い、独自のシースルーやメタルボディーで差別化を図る。2026年はハイエンド不在となるが、FeliCa対応など日本市場に即した仕様で勝負を挑む構えである。
Nothingが、ミッドレンジ帯の最新スマートフォン「Phone (4a)」と「Phone (4a) Pro」を日本で発売する。
Phone (4a)は2025年に発売したPhone (3a)の後継機で、本体内部が透けて見えるシースルーデザインや、背面に63個のミニLEDが点灯するGlyphインタフェースを搭載する。カメラは5000万画素のメインカメラや3.5倍光学ズーム対応の望遠カメラを搭載しており、最大70倍のズームが可能だ。
国内キャリアでは、KDDIがオープン市場向けモデルをそろえた「au Flex Style」で扱い、au Online Shopでは5月8日、KDDI直営店舗やau Styleでは5月15日に発売する。メモリ+ストレージごとのau Online Shopでの価格は、8GB+128GBが5万8800円、8GB+256GBが6万4799円。Nothing直販サイトでの価格は8GB+128GBが5万8800円、8GB+256GBが6万4800円。
Phone (4a) Proは、日本では初登場となるaシリーズの上位モデル。「なぜ日本ではProを展開しないのかという声をいただいた」(Managing Directorの黒住吉郎氏)ことを受け、投入を決めた。アルミのユニボディーをまとっており、同社のスマートフォンでは最薄となる7.95mmを実現した。黒住氏は「今販売されているユニボディーのスマホでは最薄だ」とアピールする。
カメラは5000万画素のメインカメラと、3.5倍光学ズームに対応した5000万画素のペリスコープ望遠カメラを備え、最大140倍のズームが可能。背面には、137個のミニLEDで構成されたGlyphマトリクスを用意し、ドット絵で各種通知を表示する。
国内キャリアでは楽天モバイルのみが取り扱い、4月22日に発売した。メインメモリとストレージの構成は12GB+256GBのみ。楽天モバイルでの価格は7万8900円、Nothing直販サイトでの価格は7万9800円となる。
Nothingは日本へのコミットを強める
4月15日に開催した発表会では、Chief Brand Officerのチャーリー・スミス氏が登壇。「日本はグローバル戦略市場と捉えており、コミットを強めていく」と語り、日本重視の姿勢を改めて示した。「日本はデザイン、ファッション、イノベーション全てにおいて文化を形作ってきた。われわれは文化を創っていくことを重視している。次世代の最も愛されるテクノロジー企業、ファッショナブルなテックブランドになりたい」(チャーリー氏)
発表会には、ダンスグループのアバンギャルディが出演し、Phone (4a)とPhone (4a) Proを手にダンスパフォーマンスを披露して盛り上げた。今後も何らかの形でNothingスマートフォンのプロモーションに登場するかもしれない
Phone (4a)はau回線でしっかり動作することを担保している
今回のトピックは、販路にKDDI(au)が加わったことだ。Nothingはこれまで、国内のキャリアでは楽天モバイルと協業して販路を拡大してきた。ここにauが加わったことで、2社目の強力なパートナーを得たことになる。KDDIは、Phone (4a)の販売を皮切りに、「au +1 collection」のスマートフォンをau Flex Styleに一新し、オープン市場向けモデルも強化していく姿勢を見せている。
Phone (4a)をauで扱うことに伴い、auのネットワークで確実に動作することを担保するテストを行っているという。「単に接続性を確認するというレベルではなく、ラボでのシミュレーションを掛けている」と黒住氏。ただし衛星とスマホの直接通信サービス、au Starlink Directの対応機種には現時点では含まれておらず、衛星通信サービスへの対応は気になるところだ。
楽天モバイルではPhone (4a) Proを扱うことになったが、今回のラインアップの中では「Proがベスト」という判断になり、採用が決まった。販路は「ほぼ独占に近い形」(黒住氏)になる。楽天モバイル向けの限定カラーは用意していないが、メタルボディー自体が複雑な工程を経ており、他の販路と同様にシルバー、ブラック、ピンクの3色を訴求していく。
Phone (4a)とPhone (4a) Proで新たに加わったピンクは、日本の桜など、特定の国や自然をイメージしたものではないそうだが、「新たなラインアップとしてインパクトがある」と黒住氏も自信を見せる。
Phone (4a) Proはクリエイター志向の人に勧めたい
どちらもミッドレンジに位置付けられるPhone (4a)とPhone (4a) Proだが、すみ分けについては「Proはクリエイター志向が強い」という。「カメラ、ディスプレイ、プロセッサのレベルに関しては差が出てくる。使っているときに高い処理を求められるであろうクリエイター志向の方にはProをおすすめしたい」(黒住氏)
兄弟モデルなのでデザインを統一する選択肢もあったはずだが、Proをあえてメタルボディーにしたのは、「プロ仕様ということで、次世代に向けたデザイン」(黒住氏)を目指した。
「これまで、メタルを全面に使ったプロダクトはNothingでは出していないが、ヒントはあった。シースルーとメタルの組み合わせが課題だったが、今回はユニボディーながらも、カメラ周りに3D成形したプラスチックパーツを組み込むことで、きれいな仕上がりになった」(黒住氏)
フラグシップ不在でも自信 日本のニーズにしっかり応える
Nothingのカール・ペイCEOは、2026年はフラグシップモデルを投入しない意向を宣言している。この計画は現時点でも変更なく、黒住氏も「Phone (4a)とPhone (4a) Proが2026年の主力モデルになる」と述べる。その理由について同氏は「フラグシップモデルは、次に続く旗頭になるモデル。デザインや機能の面でも開発の時間を掛けたいが、今年中には完成できない」との判断があったことを明かす。
他社が2026年も変わらずハイエンドモデルを発表する中で、ハイエンド不在は不利になりそうだが、Phone (4a)とPhone (4a) Proの完成度に「自信がある」と黒住氏。「スマートフォンは全体のバランスだと思っている。値段も、透明性を持って、日本のお客さんにお届けしやすい価格に設定できている」
他社を見ても、ハイエンドモデルはメーカーの技術力を示すショーケースとしての役割が大きく、実際に売れるのはミッドレンジ帯になる傾向が強い。こうしたミッドレンジスマホは万人受けする無難なデザインになりがちだが、Phone (4a)は透明ボディーにLEDが点灯、Phone (4a) Proはメタルボディーにドット絵を表示するという独自の要素を加えている。単にコストパフォーマンスがいいだけでなく、「お、何かいいな」と思わせることが差別化につながっている。
5~7万円台のスマホとしてスペックも妥協しておらず、おサイフケータイ(FeliCa)にも対応している。黒住氏は「おサイフケータイありきではなく、日本のユーザーさんに使っていただくためには、あるレベルの防水機能やおサイフケータイは必要になるし、最近だとeSIMも好まれる」と話し、改めて日本ユーザーのニーズもしっかりくみ取っていくことを強調した。
2026年はハイエンド不在とはいえ、独自のデザインや日本ユーザーが求める機能を備え、堅実に進化したPhone (4a)とPhone (4a) Proが、存在感を発揮しそうだ。
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