ドコモFGが仕掛ける「グループ連携」と「金融AI構想」 通信との融合でKDDIやソフトバンクに追い付けるか:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)
NTTドコモは傘下の金融企業を束ねた「ドコモ・フィナンシャルグループ」を始動させ、決済や銀行などの事業を承継した。ドコモショップのリアルな接点を活用して金融事業を強化し、最大4.5%還元のグループ連携も開始する。先行する競合他社に対し、通信と金融の融合や法人向けプラットフォームの提供でキャッチアップを目指す。
最大4.5%還元のグループ連携と、データを武器にする「金融AI」構想
グループ内で、相互送客を図る動きも強化する。1つ目が、dカードとドコモの銀行の連携だ。dカードの引き落とし口座をドコモの銀行に設定し、8月20日から開始されるdアカウントでの連携を実施すると、9月から、dカードを使ったスマホ決済(dカードを支払先に設定したd払い、Apple PayやGoogle Payのタッチ決済、iDのいずれも対象)のポイント還元率が基本の1%から3%にアップする。
この特典は初年度が対象だが、13カ月目以降はdカードの利用額に応じて還元率が変わる。最大はdカードPLATINUMで前々月16日から前月15日までの1カ月間の利用額が50万円以上だった場合の2%。dカードGOLD、GOLD Uで同額を支払った際には、1%のポイント還元が追加される形だ。50万円を下回ると一気に還元率が落ちてしまう点は気になるところだが、dカードとドコモの銀行の連携を進める効果はありそうだ。
ドコモFG傘下の企業同士の連携も、ポイント還元で強化していく。枠組みは上記と同じで、dカードのスマホ決済にマネックス証券での取引分を上乗せするというもの。dアカウント連携を完了させ、8月下旬以降の対応を予定しているドコモの銀行からマネックスへの自動入金(スイープ)設定を行い、かつdカード積立とd払い残高積立の合計約定金額が月3万円以上の場合、最大で4.5%まで還元率が上がる。
店舗やポイントでの連携を進めていくドコモFGだが、もう1つのアプローチが金融AIだ。現時点ではサービス開始のタイミングや機能などの詳細は明かされておらず、構想に近い発表だったが、廣井氏は、その特徴を「年齢や資産額といった属性だけでは分からない価値観やライフスタイルを最初から理解したAIが、お客さまをサポートする」と語る。
アプリは、ドコモFGが提供するものとして開発する予定で、近々失効しそうな「期間・用途限定ポイント」の残高に基づいたおすすめの使い方を教えてくれたり、ライフステージに合わせて運用残高を増やすかどうかを相談できたりといった内容になるようだ。また、前月の“推し活”での支出や、クーポンの活用状況を教えてくれるといった機能も備わることがうかがえる。
ドコモは、dアカウントに多様なユーザーデータを保持しており、それを活用することでユーザーのライフスタイルをあらかじめ推定し、理解できる。こうした機能は、ドコモが投入を予定するAIエージェントアプリの「SyncMe」にも搭載される予定で、現在、モニターを募って試験サービスを提供している。金融AIが目指す機能を見る限り、利用しているデータやコンセプトはSyncMeに近い。グループの金融サービスに特化させている点が、大きな違いといえそうだ。
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