ドコモFGが仕掛ける「グループ連携」と「金融AI構想」 通信との融合でKDDIやソフトバンクに追い付けるか:石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)
NTTドコモは傘下の金融企業を束ねた「ドコモ・フィナンシャルグループ」を始動させ、決済や銀行などの事業を承継した。ドコモショップのリアルな接点を活用して金融事業を強化し、最大4.5%還元のグループ連携も開始する。先行する競合他社に対し、通信と金融の融合や法人向けプラットフォームの提供でキャッチアップを目指す。
通信との融合にキャッチアップできるか、BaaS起点のプラットフォーム提供には強みも
ただ、ドコモFGは発足したばかりで、ゼロからauじぶん銀行を立ち上げた他、クレジットカードや決済事業をauフィナンシャルサービスに合流させたKDDIと比べると、グループ同士の連携は道半ばだ。ソフトバンクは金融事業の再編を2025年に実施したばかりだが、PayPay銀行(当時はジャパンネット銀行)やPayPayカード(当時はワイジェイカード)はそれぞれグループ入りしてから時間がたっており、サービス連携も進んでいる。
また、本体である通信事業との連携もまだ手薄だ。例えば、KDDIはau、UQ mobileのユーザーに「auモバイル優遇割」として住宅ローンの金利引き下げを行っている。ソフトバンクも、PayPay銀行で近いサービスを提供中だ。KDDIは「auバリューリンク マネ活2」をはじめとした料金プランで、au PAYへの還元の条件にauじぶん銀行を含めている他、預金残高に応じた還元も実施しており、通信と金融の融合が料金面で進んでいる。
「ポイ活プラン」のように、dカードやd払いとの連携は進んでいるが、スピード感をもって、こうした取り組みを銀行や証券に広げていけるかが重要になりそうだ。
対法人でも、通信や銀行、クレジットカードをしっかり連携させていく必要がある。住信SBIネット銀行はBaaSを推進しており、NEOBANKという形で他社がそれぞれのブランドを冠し、いわばバーチャルな銀行を開設している。
ドコモFGでは、これを「スマートライフプラットフォーム」としてパッケージ化し、銀行だけでなく、ローンやNISA、保険、dカード、d払いなどを他社に提供していく方針だ。「事業機会やポートフォリオを多様化させたいニーズがあれば、われわれの他に、(親会社のドコモの)通信サービスもホワイトレーベルとして提供することが可能」(同)というように、通信サービスの提供も視野に入っているという。
座組ができる前だが、日本航空が始めた「JALモバイル powered by ahamo」も、こうした事例の1つといえそうだ。NEOBANKとしてBaaSを提供している企業は多いが、ここにドコモの回線もパッケージに含めて売り込んでいければ、より収益性も高まり、本業である通信事業にとってもプラスになる。各種金融、決済サービスだけでなく、通信までまとめて「as a Service」として提供できる企業は少ない。この分野で住信SBIネット銀行が先行していることは、ドコモFGだけでなく、ドコモ全体にとっても大きな強みになるかもしれない。
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