モトローラが“横折り”スマホを投入する理由 「フォルダブルiPhone」上陸前夜に先手、他社Foldの弱点を解消:石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)
モトローラは他社の弱点を克服した初の横折りフォルダブルスマホ「razr fold」を国内発売する。部材高騰で価格は約30万円と高価だが、IIJmioが10万円割引などの強力な施策を展開して対抗する。背景には、うわさされる折りたたみiPhone上陸を見据え、拡大する横折り市場で先手を打つ狙いがある。
拡大するFold市場、iPhoneの登場が契機か
モトローラは、10四半期連続で成長しており、日本市場でも「キャリア市場に再参入した2024年、2025年にかけては、(2020年の)5倍に規模が拡大している」(伊藤氏)。2026年も、その売り上げを「2倍にするというやりがいのある目標をもらって、それに取り組んでいる」という。razr foldの投入はそれを達成する1つの手段になる。
冒頭で述べたように、razr foldは3月のMWCでお披露目され、米国では5月に販売を開始した。日本では3カ月遅れの8月になってしまったが、その理由の1つは、「FeliCa対応に少し時間がかかってしまった」(伊藤氏)ことが挙げられるという。一方で、海外で既に発表されている「razr 70」や「razr plus」「razr 70 ultra」より、razr foldに優先順位を置き、日本投入を急いだこともうかがえる。
伊藤氏によると、「今年の市場はかなりFoldの方が動くと見ている」という。背景には、うわさされているフォルダブルiPhoneの登場があるとみていいだろう。2026年は、OPPOが国内初となる横開きフォルダブルの「OPPO Find N6」を投入しており、razr foldと合わせてそのバリエーションが拡大している。
各社とも、iPhoneの発売で横折り型のフォルダブルスマホに注目が集まり、市場自体も拡大するとみているようだ。特に、モトローラは早くからフリップ型のフォルダブルスマホに注力しており、折り曲げられるディスプレイやヒンジなどの開発には一日の長がある。iPhoneというビッグウエーブが到来し、横折りフォルダブルが定着する前に先手を打っておきたいモトローラの狙いが透けて見える。
とはいえ、もとは折りたたみケータイから名前を受け継いだrazrなだけに、やはり同社のメインストリームはフリップ型のフォルダブルスマホだ。日本市場でも、5G対応の「razr 5G」を2021年に投入して以降、「razr 40」「razr 50」「razr 60」とシリーズを重ねてきた。ソフトバンクから始まり、auやドコモにも拡大しており、CM効果も相まってモトローラといえば、razrというイメージが定着しつつある。
伊藤氏も、「フリップじゃなければrazrじゃないと申し上げてきたが、フォールド(横折り)にも取り組まなければいけない」としながら、razr foldが「今年度最後のrazrではない」と明かす。ただし、razrが出たことで2026年は「無印に一本化する」(同)戦略のようだ。これまでは、フリップ型が中心だったフォルダブルスマホだが、フォルダブルiPhoneの登場により、その市場が徐々に変わろうとしていることがうかがえる。
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