ソフトバンクとSceyeが「空飛ぶ基地局」HAPSの通信試験に成功 2027年以降の商用化を目指す
ソフトバンクとSceyeは、LTA型のHAPSを用いた試験サービスの提供に成功。スマホの音声通話や大容量データ通信、大規模災害時を想定した緊急速報メールシステムの動作を確認したといい、2027年以降の商用化を目指す。
ソフトバンクとSceye(スカイ)は、9月2日にSceyeのLTA(Lighter Than Air)型のHAPSを用いた商用化に向けた試験サービス提供に成功したと発表。日本上空を飛行するHAPSの通信試験に成功したのは国内初としている。
今回使用したSceyeのHAPSは米国ニューメキシコ州ロズウェルを出発し、太平洋上空を約13日間、1万5000km以上飛行。その後、日本上空で南海トラフ地震などの大規模災害を想定した高知県室戸市周辺の指定された試験エリアで、半径最小5km以内で機体の位置を保持した。
高知県室戸市周辺では、HAPSと地上のスマホ間の双方向の通信試験を実施。SceyeのHAPSに搭載した4G LTE相当の基地局を、地上ゲートウェイを介してソフトバンクのコアネットワークに接続。音声通話、テキストメッセージの送受信、SNSなどのアプリの利用、ビデオ通話、動画の視聴といった大容量のデータ通信が安定して行えることを確認した。
あわせて、緊急地震速報や津波警報などの緊急速報メールシステム、音声通話での118番緊急通報も確認。データ通信の試験では、地上基地局との電波干渉を低減しながら地上ネットワークと同等の通信性能を実現したという。
また、ドローンなどの上空のモビリティへも安定した通信環境を提供する3次元通信ネットワークの構築に向け、HAPSとドローン間の通信試験も実施。HAPSの通信環境下で遠隔制御ドローンの自動飛行を実施し、飛行制御やドローンからの位置情報の送信、映像伝送などが安定して行えることを確認した。
この他、成層圏でのエッジコンピューティングの可能性を確認するべく、HAPSに処理サーバを搭載してHAPS上でデータを処理する検証を行った。HAPS上のサーバでの応答処理時間は往復平均68ミリ秒と、インターネットを経由してクラウド上で処理する場合と比較して通信の遅延を40%以上低減できたという。HAPS上にモバイルコアと処理用のウェブサーバーを搭載し、HAPS内で応答処理してその結果をスマホへ返す試験の成功は世界初としている。
両社は今回のHAPSの試験サービスで得たHAPSの飛行や運用、通信に関するデータや知見を生かし、運用体制の整備や通信品質の向上を進め、2027年以降に日本国内でのHAPS商用化を目指していく。
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