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「Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6」は何が進化した? もはやスマホは主役ではない“AIエージェント時代”のモバイル体験(2/2 ページ)

QualcommはハワイでSnapdragon Summit 2026を開催し、AIエージェント時代へのシフトを強調した。AIエージェントの処理向上やGoogleとの協業、安全性に優れる決済機能などの最新技術を提示した。新SoCのSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6を発表し、放熱性の向上などで高性能維持を実現した。

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Snapdragon 8 Elite Gen 6の進化点 放熱効率が伸びたExtremeも展開

 このAIエージェント時代にQualcommが新たに発表するのが「Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6」と「Snapdragon 8 Elite Gen 6」だ。Oryonベースの最大5GHz駆動のPrimeコア×2と4GHz駆動のPerformanceコア×2を搭載し、モバイルCPUとしては初の5GHzの動作クロックを実現する。CPUコア間で共有L2キャッシュプールを動的配分するOryon Flex Cacheを採用し、近年AIエージェントやゲームの動作で顕著に見られるコア間でのデータ受け渡しをスムーズにし、動作効率を上げる狙いがある。


Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6

QualcommによればモバイルCPUとしては初の5GHz動作クロック超えを実現したという

 これらはSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6とElite Gen 6で共通のスペックであり、これだけを見ると両者の違いが分からない。だがElite Extreme Gen 6のみに採用された「Offset PoP(Offset Package-on-Package)」という技術により、従来型のPoPに比べて放熱効率が向上しており、ピークパフォーマンスの持続時間がElite Gen 6と比べて2倍以上伸びているという。

 モバイルSoCで採用される従来型PoPではSoCの直上にそのままDRAMを重ねる構造を取っていたが、この構造では基板上の設置面積を縮小できるものの、熱源が重なるために放熱上で課題があった。

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 Offset PoPでは意図的にDRAMの積層位置をずらすことで、ヒートスプレッダなどを介して熱を逃がしやすい構造ができるため、両者のスペックの差であるピークパフォーマンス持続時間の向上につながっているようだ。一方で組み立て工程の難易度が上がるため、それがそのままコストに跳ね返る結果、どうしても従来型PoPに比べて製品が割高になるというデメリットがある。


上位モデルであるSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6で採用された「Offset PoP(Offset Package-on-Package)」

SoCとDRAMの積層位置をずらすことで放熱スペースを確保する

 このように、細かい点で両者のスペックの差別化が図られている。前出のCPU性能についても細かいチューニングでElite Extreme Gen 6の方が前世代比で全体的な性能が向上している他、GPUから利用可能な高速メモリ(HPM:High Performance Memory)がElite Extreme Gen 6では18MBと拡張されているのに対し、Elite Gen 6では前世代と同じ12MBのままとなっている。

 Elite Extreme Gen 6ではこれに加え、Adreno GPUでMatrixコアを新たに備えており、18MBにメモリ領域が拡張された第2世代のHPMと合わせて「ANF(Adreno Neural Fusion)」と呼ばれる低消費電力動作のAI超解像技術を利用できる。この他、APVコーデックのサポートやVVCコーデックのハードウェア再生支援、8K 60fps/4K 240fps撮影などもElite Extreme Gen 6だけの機能となっている。

 NPUのHexagonについては両SoCとも新しい世代となっており、最大で32Kトークンのコンテキストウィンドウに対応し、30B超のパラメーターを持つMoEモデルのオンデバイス実行が可能になっている。こちらもスペックシート上から両者の違いは分かりにくいが、Elite Extreme Gen 6の方がスカラーユニットとベクターユニットの演算処理能力が強化されており、パイプラインで同時処理可能なスレッド数が多い。

 結果として単一の処理では両者にそれほど差がないものの、複合的なマルチスレッド処理、例えばAIエージェントのように複数のタスクを何度も呼び出すような処理の場合、両者で大きな差が出てくる。その意味で、よりAIエージェント時代に即した形での強化が行われているといえる。


Adreno GPUがSnapdragon 8 Elite Extreme Gen 6で特に強化されており、動画の撮影や再生支援機能と合わせて差別化が図られている

AIエージェント時代のSoCにふさわしい形で各種処理の実行効率が向上している点も特徴だ

 スペックシートだけでは分かりにくい点が多いが、内部的にはかなり性能向上が図られており、過去の世代ごとの変化から見ても比較的性能向上幅が多いとQualcommでは説明している。一方で、昨今のメモリ事情からスマートフォン全体の価格が上昇傾向にあり、特にハイエンド製品の購入をためらっている人も多いだろう。Qualcommによれば、こうしたユーザーやOEMメーカーのニーズに対して前世代のSnapdragon 8 Elite Gen 5についても引き続き提供を続けていくということで、ハイエンドの製品ラインアップにおいても選択肢がある程度確保される見込みだ。

(取材協力:クアルコムジャパン

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