見て、触って、使って納得――ブロガーを魅了した“AQUOS”夏モデル(AQUOS ZETA SH-04F編)EDGEST×IGZO×PureLED(ピュアレッド)

ITmediaで開催された新しい「AQUOS」3機種のブロガーイベント。参加者はドコモの「AQUOS ZETA SH-04F」が採用したEDGESTデザインとPureLED(ピュアレッド)搭載のIGZOに、どんな反応を示したのだろうか。

» 2014年05月28日 10時00分 公開
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 ITmedia Mobileはこのほど、ブロガー向けにシャープの2014年夏モデル「AQUOS ZETA SH-04F」「AQUOS SERIE SHL25」「AQUOS Xx SoftBank 304SH」3機種のタッチ&トライイベントを開催した。イベントには10人のブロガーが参加。シャープの商品開発陣から直接、各端末についての説明や開発中のエピソードを聞きながら、実際に端末に触れ、鋭い質問を投げかけた。

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 シャープのスマートフォンは今夏モデルから、従来の「AQUOS PHONE」ではなく液晶テレビやHDD・BDレコーダーなどのAV機器と同じ「AQUOS」ブランドを採用している。会の冒頭、シャープ 通信システム事業本部 グローバル商品企画センターの磯部氏がブランド名変更について説明した。

photo 「AQUOS ZETA SH-04F」
photo AQUOSブランドについて語る、シャープの磯部氏

 スマートフォンは大画面化、高精細化で液晶画面がどんどん進化し、ワンセグのみならずフルセグまで対応するなど、使い方が広がってきている。一方でテレビも、単に放送を受信するものではなく、ネット動画を見たり、フォトフレーム機能を搭載するなど多機能になった。磯部氏は、「スマートフォンやテレビは、従来の枠を超えた製品になっている」との考えを示し、「AQUOS PHONEとAQUOSの垣根を取り払い、AQUOSという1つのブランドにすることで、より分かりやすく強いブランドにしていける」とブランド変更の意図について説明した。

 その上で、従来のAQUOS PHONEは、ややスペック重視の方向で訴求されてきた側面があるが、これからは利用シーンを重視し、共感を持ってもらえるような商品を目指すと磯部氏はいう。

 「共感を持ってもらうにはデザインも重要だし、テクノロジーも大切。共感を持ってもらうための要素として、これからも追求していくのは変わりない」(磯部氏)

 例えば、カタログはこれまでのような機能説明を中心とした作りではなく、メッセージ性を重視した表現を多用している。また、EDGESTの魅力を一般層に分かりやすくアピールするキャンペーンとして、タレントを使ったプロモーションも展開する。

photo 「今見えてるものは、すべてじゃない」のコンセプトのもと、HKT48を起用したEDGESTのキャンペーンサイト(http://aquos-hkt48.jp)も開設されている

 ちなみに、商品開発とブランド見直しは同時に進められていたという。EDGESTはディスプレイの見せ方にこだわったスタイルなので、3キャリア向けにEDGESTモデルが出そろう今シーズンでのAQUOSへのブランド変更は、タイミングとしては丁度良かったと磯部氏。今後、AQUOSブランドのもと、「共感」をキーワードに商品開発やプロモーション展開を進め、「親しみやすい、分かりやすい、愛着がわく」製品を追求していくと語った。

共感を呼び起こす「EDGEST」デザイン

photo シャープの小山氏。ブロガーイベントでデザインについて語るのは初めてだという

 新しいAQUOSの3機種は、すべて3辺狭額縁のEDGESTスタイルを採用。ただし、それぞれに異なるデザインとなっている。その理由について、シャープ プロダクトビジネス戦略本部 通信デザインセンター所長の小山氏は、「『共感』というキーワードが重要な要素になっている」と説明した。

 「EDGESTによって額縁が細くなることで何ができるか。そう考えたときに、スタイルや機能性を超えた「共感」を作ることが大切だと考えました」(小山氏)

 小山氏は自転車を例に出し、「自転車は乗って楽しい、気持ちがいいと感じることが大切なのに、いろんなパーツやギアの段数を増やしてしまっていたのが、これまでのスマートフォン。これからは共感を作っていくことがデザインの目標」と説明。

 さらに、夜空の星やひよこがEDGESTの画面に写っているカタログのビジュアルを見せ、「額縁の太い端末で夜空の写真を見たら、単に夜空という情報が来たんだなと思うだけ。それが、限りなく狭額縁になって、ゼロになったら、きっと夜空に向かって画面を掲げてくれるんじゃないか。ひよこの写真だったら、か弱いものをそっと手に包み込むような気持ちになるんじゃないかと思います。撮影した人の感動を伝えて、共感をどうやって作っていけるか。そのカギの1つとなるのがEDGEST」だと述べ、EDGESTのデザインが共感を呼び起こすきっかけになるという考えを示した。

 3キャリア向けの端末それぞれのデザインについても紹介された。ドコモのAQUOS ZETA SH-04Fは、本体を横から見ると六角形になっている「ヘキサグリップシェイプ」が特徴。滑りにくい形をテーマに、握りやすさを表現したデザインで、スマートフォンを使うユーザーの「落として壊したくない」という気持ちにデザインで応えた。なお、7インチタブレットの「AQUOS PAD SH-06F」でも、ヘキサグリップシェイプが採用されている。

photophoto サイドから見ると六角形に見えるSH-04FとSH-06Fのヘキサグリップシェイプ。握りやすさを表現したデザインだ

 デザインについて、ブロガーたちからは、ボリュームキーやカラー、質感についての質問が出た。

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 SH-04Fは本体側面に物理式のボリュームキーを配置している。物理キーを採用した理由を問われた小山氏は「ソフトキーは使いにくいという反応があったり、ボタンを付けると古臭いという意見があったりと、いろんな議論しながら進めている」と、さまざまな意見があることを説明した。

 SH-04Fがユニークなオレンジを採用した理由に付いての質問には、「ユーザーが手に取ったときに、新しさや変化を感じられる色を採用している」と回答。その上で「ソフトバンク向けの304SHのプレシャスゴールドは、金属の質感をもっともよく表現できるものとして採用した。色についてはこだわりを持ちながら、鮮度を感じてもらえるようなデザインを目指して取り組んでいる」と述べた。

 SH-04Fの背面パネルがカラーごとに質感が異なっていることを指摘されると、小山氏は「質感にはこだわりがある」と回答。「同じものをたくさん用意するのではなく、違うテクスチャーを入れた方が良くなるのであれば、そうしていく。色が持っている特徴を質感に託して、持っている喜びに貢献できるものにしている」と語った。

「PureLED(ピュアレッド)」で色鮮やかになったIGZO液晶ディスプレイ

 SH-04Fを含む新しいAQUOS3機種は、すべてIGZO液晶ディスプレイを採用し、3日間以上の実使用時間を達成している。それに加え、新たに新開発のバックライト「PureLED(ピュアレッド)」を搭載し、発色にこだわっている。IGZOとPureLED(ピュアレッド)について、シャープ グローバル商品企画センターの大野氏と、要素技術開発センターの佐藤氏がプレゼンテーションを行った。

photophoto IGZOの省電力性能について語るシャープの大野氏(写真=左)と、「PureLED(ピュアレッド)」について語る佐藤氏(写真=右)

 まず、大野氏がEDGESTの画面占有率の高さや、IGZOの省電力性能について説明を行った。大野氏はEDGESTについて、「画面の中と外の世界が融合されているような驚きが感じられることと、実利用的な面では、大画面はいいけれど、大きすぎるのは困るというニーズに応えるべく、筐体のフットプリント(占有面積)に徹底的にこだわった結果」と述べ、SH-04Fでは画面占有率が81%に達していると胸を張った。

 ただ、EDGESTになると液晶の縁が極端に細くなるため、受話レシーバーの配置に工夫が必要だ。本来、スピーカーを平置きして直上に音が抜ける形を取るところだが、SH-04Fでは「少し角度を付けてレシーバーを配置し、ダクト構造で上面まで持ってくるというような工夫をし、なんとか81%を達成しています」(大野氏)という。

 その結果、5インチディスプレイを搭載した冬モデルのSH-01Fが高さ141ミリのところ、SH-04Fは画面が5.4インチに大きくなっているにもかかわらず、高さは逆に1ミリ減っている。

 電池持ちについてもキャリアナンバーワンのスタミナを目指し、それぞれのキャリア基準で実使用3日間を達成した。

 「大画面になることで、基板面積が大きいのではと思われるが、小型化に注力し、余った部分はすべて電池スペースに回すような工夫をしています」(大野氏)

photophoto SH-04Fは画面が5.4インチに大きくなっているにもかかわらず、高さはSH-01Fよりも1ミリ減った。省電力なIGZOに加え、3300mAhのバッテリーを搭載しているのでバッテリー持ちもいい

 もちろん、IGZOの特徴である「液晶アイドリングストップ」(静止画を表示している場合、従来の液晶は1秒間に60回の表示書き換え動作が必要なところ、IGZOは1秒間に1回で済むこと)によって電池の消費が抑えられる。しかも、書き換え動作を止めることでプロセッサの動きも抑制でき、それも省電力につながる。

 今回新たに搭載されたバックライト「PureLED(ピュアレッド)」については、佐藤氏が実際のモジュールを手にしながら説明した。

 従来のバックライトは、青色の発光体と黄色の蛍光体を合わせて白を表現する。今回のPureLED(ピュアレッド)は、青色の発光体に緑と赤の独立した蛍光体を組み合わせることで白を表現していることがポイントだ。

ディスプレイはバックライトモジュールと液晶モジュールが組み合わされている。PureLED(ピュアレッド)はバックライトに搭載された技術。滅多にみられないモジュールとあってブロガーのみなさんも興味津々

 IGZO液晶ディスプレイは、省電力な面は高く評価されているが、表示の色味など画質についてさまざまな声もあった。佐藤氏は「省電力なIGZOでもっときれいな表示を実現したい」という思いからPureLED(ピュアレッド)の搭載に取り組んだという。色は濃いほうがきれいだと感じることが多く、色を濃くするために通常は液晶のカラーフィルターを濃くするケースが多い。しかし、

 「カラーフィルターを濃くすると明るさが低下します。バックライト自体も黄色の光を使っていましたが、黄色の光から緑と赤を作ろうとすると効率が悪いのです」(佐藤氏)

 そこで、バックライトそのものを重点的に改良し、赤と緑の原色が出るようにした。カラーフィルター自体、光が通るように改良したが、こうすることで効率よく外まで光が通り、なおかつバックライトの赤と緑の成分が強く出るので、色が濃くなり美しい色を実現できる。実際、新旧の端末を比較すると、PureLED(ピュアレッド)を採用した方は、より赤がきれいにみえる。

photophoto PureLED(ピュアレッド)はバックライトにおける技術。青色の発光体に緑と赤の独立した蛍光体を組み合わせることで白を表現する
photophoto カラーフィルターを濃くすると明るさがダウンするが、PureLED(ピュアレッド)はバックライトの赤と緑の成分が強く出るので、輝度を落とさず色が濃くなり美しい色を実現できる

 なお、表示に関してはハード面だけではなくて、ソフト面も改善している。特に改善したのは、画質モードの「標準」と「ダイナミック」だ。標準モードは飽きがこない自然な画質、長時間見ても疲れない自然な画質を目指したという。一方、ダイナミックは、一瞬できれいさが分かる、インパクトを与える画質だ。

 「我々技術陣も、『あふれ出る臨場感を いつでも、どこでも』というコンセプトで表示の進化に取り組んでおりますので、今後もご注目ください」(佐藤氏)

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 液晶や画質については、ブロガーからたくさんの質問があがった。

 液晶の省電力化技術には「WhiteMagic」もあるが、IGZOの優位性は何かと問われ、佐藤氏はホワイトマジックも非常にいい技術だと認識していると述べた。ただし、「通常の液晶だと必ず描画更新をしなくてはいけない。IGZOは画像の更新が止まったときに電力的なメリットが非常に大きいデバイス」と述べ、液晶アイドリングストップの利点を強調した。

 液晶の縁が細いため、持って操作したときに誤動作しないかという質問に対しては、画面の端に指が当たって2点タッチが起こった場合に、端の指の操作を無視する対策が取られていることを紹介した。

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 有機ELディスプレイと比べて赤が強すぎて色つぶれしているのでは? という意見に対しては、画質モードを標準に設定すると緩和するという方法を紹介。シャープのスマートフォンは、販売店で他社の製品と一緒に並んだ際にインパクトを与えるため、画質モードをダイナミックに設定して出荷している。そのため、明るすぎると違和感を覚える人もいるとのことで、シャープ社内でも初期設定モードについて議論があるそうだ。

 ちなみに、画質モードの「リラックス」は、目への負担が小さい優しい色合いのモード。目が辛いと感じる人は、こうしたモードも利用するとよさそうだ。

 そして参加者からは、従来モデルのタッチパネルに比べて今夏モデルはかなり反応がよくなっているという声もあった。これに対し、パーソナル通信第三事業部 副参事 景井氏は「かなりこだわってチューニングしている」と自信を見せ、佐藤氏も「タッチパネルを開発しているものとして、さらに高いレベルを目指したい」と続けた。

ブランド変更とEDGEST採用に高い評価

 ブランドを変更したシャープのスマートフォンについて、参加ブロガーはどう感じたのだろうか。「MOBILEDATABANK」のホセさんはAQUOSブランドへの変更について、「全くもってその通りで、電話ではなく、さまざまな可能性や体験を提供してくれるもの。それこそが最近のスマートフォンの役割であると思います」と好意的だ。

 「AppComing」の方波見豊さんも、「『アクオスフォン』に慣れ親しんだ今ということでやや寂しい感じもするが、テレビも従来のテレビという枠を超えており、携帯電話の製品名に『PHONE』を付する必要もなく、ブランド認知度が高い液晶テレビの『AQUOS』を残す妥当なブランド変更かもしれない」と前向きに捉えている。

 「かげのブログ」のかげさんは、「私も既にスマートフォンで電話することはほとんどなくなっていて、小型の1スクリーンですし。スマホのメイン用途がアプリとネットとメールという人も多いと思います」と、自らの利用シーンの変化からブランド変更に違和感がないことをしるしてくれた。

 SH-04Fだけでなく新しいAQUOSの3機種が採用したEDGESTデザインについてはどうだろうか? 「ちわわのまま」のちわままさんは、「スマホのワクという、一見使うことに影響がなさそうな部分ですが、ワクが無くなる事で全く違った世界観が広がることが驚きでした!」と感動を覚えた様子だ。「GAPSIS」の長田卓也さんは、「他社からの狭額縁の端末はリリースされており、現在はそれがトレンドになりつつある。しかし、それらの端末でも狭いのは左右の縁のみであり、上辺については狭くないものが多い。しかし、シャープの『EDGEST』では上辺も狭いので、横幅だけでなく、上下の高さもコンパクトにできている」と、シャープのEDGESTならではのメリットを紹介してくれた。

 「DIGITAL GRAPHER」のKeisuke Yamaguchiさんは、EDGESTと同時にSH-04Fのスタイルにも注目。「フラットな形状はクールでかなり好きです。フラットにすると持ちやすさがどうしても損なわれる場合が多いのですが、ヘキサグリップシェイプのおかげか自然に手になじみます。デザインと持ちやすさをうまくまとめてきたなという印象。個人的に『日本のメーカーのスマホは背面がカッコ悪い』という先入観がいい意味で裏切られた結果となりました」と評価している。

 そしてPureLED(ピュアレッド)を使った新しいIGZO液晶ディスプレイについて「せうの日記」のせうさんは、「シャープのスマートフォンの代名詞となったIGZO液晶。(中略)色の濃さを重視するユーザーからすると物足りない感じだったようです(個人的には従来のIGZO液晶がドンピシャだったんですけど)。そこで、新しいカラーフィルターを使ったバックライト“PureLED(ピュアレッド)”を採用することで、色の濃さを特に感じる赤色の発色が改善し、画像が鮮やかに見えるようになったそうです」と紹介。また「S-MAX」のにゃんこさんは、「PureLED(ピュアレッド)は鮮やかな発色で長時間見ていても目が疲れにくかったのが印象的でした」と感心したようだ。


 3辺狭額縁スタイルのEDGESTは、SH-04Fだけでなく今夏登場した3キャリアのAQUOSに採用されている。デザイン上のインパクトも大きく、AQUOSシリーズ共通のアイデンティティになりつつあり、新しいブランドでの認知度向上も期待できそうだ。省電力性に加えて鮮やかさなどの表現力も増したIGZO液晶ディスプレイなど、前モデルから確かな進化が感じられ、ブロガーたちの評価も全体的に高かった。

 SH-04Fは5月23日に発売されているので、ぜひ店頭でそのサイズ感とデザイン、IGZO液晶ディスプレイの美しさを試していただきたい。さて、ブロガーイベントはこれだけでなく「AQUOS Xx SoftBank 304SH」をテーマに、新しいカメラ機能についても行われた。次回はその様子をお伝えしよう。

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提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia Mobile 編集部/掲載内容有効期限:2014年6月4日