PDAはワイヤレスとともに──iPAQの強みとは?暗い話が多いIT業界も,iPAQだけは別? iPAQ Pocket PCはさまざまな市場に対応できるデバイスとして,ワイヤレスインターネットの進歩とともに進んでいく。
ITバブル崩壊後も,やれ業績不振だの訴訟だのとIT業界には暗い話が多い。しかし“世界最強”のニックネームを持つ「iPAQ Pocket PC」だけは好調なようだ。 「Compaq iPAQ Pocket PC Solution Seminar」が7月12日,都内で開催された。最初に演壇に立ったのはコンパックコンピュータ副社長,アクセスビジネス統括本部長の馬場真取締役。 「110万台を超えるマシンが全世界で販売された。受注残がまだ60万台以上ある。作っても作っても需要に追いつけない。IT業界には暗い話が多いが,iPAQだけは別」と馬場取締役はiPAQの好調ぶりをアピールする。 確かにコンパックだけでなく,カシオ計算機も新製品「CASIOPEIA E-750」を発売(6月12日の記事参照),NECも年内にWindows CEベースのパーム型PDAを発売する模様だ(7月9日の記事参照)。 これら新世代のPocket PCの特徴は,必ずコンパクトフラッシュスロットを装備しており,P-in Comp@ctなどによるデータ通信が可能なところ。 そんなiPAQ Pocket PCの今後の戦略について,米Compaq ComputerのiPAQ Products&Connected Deveices Division,副社長兼ジェネラルマネジャーであるSean Burke氏が基調講演を行った。 さまざまな市場に対応できるのがiPAQの強みBurke氏は,PDAによるワイヤレスネットワークへの接続を強調する。近距離のパーソナルエリアネットワークの部分では「Bluetoothが注目されるだろうし,Compaqでも注目している」(Burke氏)が,やはり「最も関心があるのはワイドエリアネットワークだ。いつでもどこでもアクセスできることが重要」と,IMT-2000に代表される携帯電話ネットワークの重要性を説く。 ただし第3世代携帯電話に関してはBurke氏の見通しも冷静。「まずは2.5G。3Gになるには2004年くらいまで待つべきだと思っている」と,ヨーロッパで開始されるパケット通信「GPRS」(用語)や「EDGE」(用語),日本でもKDDIが導入を予定している「cdma2000 1x」(用語)などの2.5世代の携帯電話に期待を寄せる。 また通信方式とは別に,アプリケーション用途での見通しも語った。今年の後半からは「現在の“いまあるデバイスでアプリケーションをどう利用するか?”という段階から,よりインテリジェントなデータをデバイスに渡すようになる」とBurke氏は言う。 “インテリジェントなデータ”とは,位置情報に基づいたり,個人用にカスタマイズされていたりと,受け取る側の状況によってデータが異なっていることを指す。「デバイスレベルでもバックエンドレベルでも,インテリジェンス性が高まる」(Burke氏) このようにワイヤレス環境が充実してくると,どうやってデータにアクセスするかが重要になる。Burke氏は「これからもデスクトップやノートPCは残っていくだろう。どのデバイスから入ろうが,同じようなデータにアクセスできなければいけない」と語る。 その上で「さまざまなデバイスが,市場ごとに登場するだろう。PocketPCは(特定の市場専用というわけではなく)さまざまな市場で利用できるいい例だ」と,ワイヤレス環境においては,Pocket PCはノートPCなどよりも汎用性の高いデバイスであることを強調した。 PDAはワイヤレスとともに日本では“ワイヤレスアクセス”といえば,やはり携帯電話が筆頭に挙がる。しかしインターネットにワイヤレスでアクセスできるデバイスとしては,画面も小さくキーボードを持たない携帯電話が非力に感じられるシーンも多い。 これまでは,そんな場合にはノートPCを利用していたわけだが,ワイヤレスインターネット接続の普及により“ノートPCをわざわざ立ち上げるのは大げさ”と感じるシーンも増えてきた。今後ワイヤレスインターネットが普及するに伴い,“携帯電話では非力,ノートPCでは大げさ”という状況が予想される。 ある調査によると,現在のPDAの利用用途は約8割がPIM(個人情報管理)だという。今後,PDAのワイヤレスインターネット利用という用途が注目を集めそうだ。 [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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