IMT-2000携帯電話,2001年度はCDMA2000が先行

矢野経済研究所の調査によると,2001年度のIMT-2000携帯電話出荷は計100万台の見込み。エリア展開,端末の供給においてはKDDIが先行すると予測している。

【国内記事】 2001年9月12日更新

 矢野経済研究所は9月12日,移動体通信市場調査結果を発表した。調査によると,2001年度(2001年4月〜2002年3月)のIMT-2000規格携帯電話は,NTTドコモのW-CDMA方式「FOMA」が30万台,KDDIのCDMA2000 1x端末が70万台,計100万台の出荷見込み。矢野経済研究所は「サービス開始はNTTドコモが先行するものの,エリア展開,端末の供給においては後発のKDDIが先行すると思われる」としている。

開発難度の違い

 10月1日から第3世代携帯電話「FOMA」をスタートさせるドコモに対し,KDDIは「CDMA2000 1x」という規格の携帯電話を投入する予定だ(8月6日の記事参照)。

 「KDDIはCDMA2000 1xサービス開始が年末以降にずれ込む可能性が高いものの,準備は着々と進んでおり,早い時期での全国展開が見込まれる」(矢野経済研究所)

 FOMA端末とCDMA2000 1x端末の大きな違いは開発負担だ。松下通信工業とNECの2社は既にFOMA端末を発表しており(9月3日の記事参照),「松下通信工業からさらに1機種,三菱電機から“ビジュアルフォン”タイプが投入される見通し」(矢野経済研究所)。とはいえ製造メーカーは限られるという。

 逆にCDMA2000 1x端末は「Qualcommのベースバンドチップ『MSM』シリーズの実装により開発負担の低減が図れることから,現在のcdmaOne端末の製造メーカー各社から発売が予想される」と矢野経済研究所は予測している。FOMAより早い段階で端末のラインナップが揃う見込みだ(7月18日の記事参照)。

Photo

【2001年度のIMT-2000規格携帯電話出荷台数見込み(単位:1000台)】

メーカー W-CDMA CDMA2000
松下通信工業 100 100 200
NEC 100 100
三菱電機 50 50
シャープ 0 0
三洋電機 0 100 100
東芝 0 100 100
その他 50 400 450
300 700 1000

全出荷台数の約6割はJava搭載に

 Java対応携帯電話は,今年1月にドコモから「503iシリーズ」が発売されたのを皮切りに,各社から登場している(1月18日の記事参照6月22日の記事参照6月25日の記事参照)。矢野経済研究所は「2001年度は携帯電話全出荷台数の約6割がJava搭載携帯電話になる見通し」と予測している。

 またカメラ搭載携帯電話に関しては,「2001年度はJ-フォン向けを中心に需要が見込まれるが,2002年度以降はIMT-2000規格のビジュアルフォン向けの需要が見込まれる」としている。

 Bluetoothは「Ver.1.1規格が策定され,本格普及の見通しがついたが,2001年度の携帯電話への実装は一部に留まる見通し」としており,本格普及は2002年以降としている。

 将来的にテレマティクス市場のキーデバイスの1つとして期待される「GPS」搭載携帯電話については,KDDIが予定している「gpsOne」搭載携帯電話が中心。「2002年までは市場はKDDIを中心に展開される」とされている。

【2001年度,2002年度,携帯電話出荷台数/金額推移予測】

  出荷台数 出荷金額
(単位:100万円)
2001年度 2002年度 2001年度 2002年度
Java搭載 2545万台 3800万台 1071730 1608000
カメラ搭載 650万台 932万台 256700 445000
Bluetooth搭載 110万台 600万台 25450 311000
GPS搭載 44万台 100万台 205300 459000

2001年度も契約者数は堅調な加入者の伸びを持続

 携帯電話やPHSの2001年度の加入者見込みについては,ドコモが前年比80.5%の537万6000純増の見込み。2000年度に苦戦したKDDIは前年比174%の144万3000純増と「auブランド浸透と端末の安定供給で大幅な年間純増の見込み」(矢野経済研究所)。J-フォンは前年比107%の195万純増と好調を維持する見込みだ。

【携帯電話/PHS加入予測】

  2001年3月加入者数 2002年3月加入者見込み 2001年度純増見込み
NTTドコモ 3602万6000 4140万2000 537万6000
KDDI/au 1098万5500 1242万8000 144万2500
J-フォン 997万7800 1194万1000 196万3200
ツーカー 395万4000 414万9000 19万5000
携帯計 6094万3300 6992万 897万6700
NTTドコモ(PHS) 181万2000 200万2000 19万
DDIポケット 312万3100 284万5000 -27万8100
アステル 90万6600 84万7200 -5万9400
PHS計 584万1700 569万4200 -14万7500
移動体通信計 6678万5000 7561万4200 882万9200

【携帯電話/PHS端末,2001年度集荷台数予測(単位:1000台)】

  携帯電話 PHS 前年比(%)
松下通信工業 10700 400 11100 87.7
NEC 7800 100 7900 92.9
三菱電機 5050 5050 107.4
シャープ 3000 500 3500 83.3
三洋電機 2800 500 3300 91.7
東芝 2300 400 2700 96.4
ソニー 2950 2950 122.9
京セラ 2350 500 2850 100
富士通 1600 1600 100
その他 3800 1150 4950 95.2
42350 3550 45900 94.6

 今回の調査は,国内の通信事業者各社,携帯電話端末メーカーおよびその他関係各社計32社への面接取材によるもの。調査期間は2001年6月から8月。

[斎藤健二,ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!