カタログには載っていない「TS11」情報──練り込まれたソフトウェアをチェック（1/2）

スカイメール，＠mail，2種類のメールシステムを搭載したTS11は，アドレス帳も文字入力も機能豊富。文字フォントサイズがさまざまなシーンで4種類に変更できるなど，ソフトウェアの特色も数多い。

【国内記事】

2001年10月10日更新

　ツーカーグループ向けに提供される三洋電機製の「TS11」は，カメラ＋TFT液晶＋28.8Kパケット通信といったハードウェア的なトピックはもちろん，練り込まれたソフトウェア部分も魅力の1つだ（ハード部分はこちらを参照）。

　TS11には驚くほど多彩な機能が搭載され，かゆいところに手が届く設定が可能。その練り込まれたソフトウェアを見ていこう。

情報量多いアドレス帳

　アドレス帳は十字キーの左ボタンを押すことで呼び出し可能。左右ボタンで「あかさたな」を，上下ボタンで個別のアドレスを選択してもいいが，対応する数字ボタンを押してもダイレクトにアドレスを選択できる。

　「2」ボタンを押せば「か」行が選択され，「2」ボタンを押すごとに，次の人にカーソルが移っていく。待ち受け画面から「2」ボタンを長押しすることで，ダイレクトに「か」行のアドレスを表示することも可能だ。

ちなみに，この表示は文字サイズを「普通1」（12dot）」で表示したもの。10，12，16，20dotの4種類から文字サイズを選択できる。文字サイズの変更はアドレス帳に限らずメールなど各所で可能。情報量の多寡から見やすさまで自由に選択できる。こうしたユーザーインタフェースへ配慮されているのもTS11の特徴だ

　アドレスの検索は，携帯，PHSといった番号種別やグループ，メモリNOなどからも可能。面白いのはランキング検索で，発信／着信／総合のそれぞれから，頻度の高い順にアドレスを検索できる。J-フォンの「J-SA03」やauの「C413S」などにも搭載されているが，便利な検索方法だ。

　500件登録できるアドレス帳の情報量も豊富。登録したアドレス帳の一覧表示では，電話番号にカーソルを当てて「開始キー」を押せば電話をかけられるし，ソフトキーの「メール」を押せばスカイメールが送信できる。メールアドレス部分では，スカイメールを送信するかEZweb＠mailを送信するかを選択できる。

項目	TS11	C413S（参考）	N503i（参考）	J-SH07（参考）
電話番号	2つ	3つ	5つ	1つ
メールアドレス	2つ	2つ	3つ	1つ
住所	○	○	×	○
メモ	○	○	×	○
URL	×	○	×	×
フォト	○	×	×	○

　面白いのはグループを2つまで設定できること。例えば「友人」でかつ「同僚」というようなときも，迷うことなく設定できる。

　アドレスごとに着信音，着信色（背面のサブディスプレイを5色に光り分ける），着信画像，応答メッセージを設定することもできる。伝言メモの応答メッセージを使い分けられるのは意外に便利。できる機種があまりないのが不思議なくらいだ。

　これら着信音や着信色など4種類の設定は，さらにグループごとにも設定できる。これまで見てきた機種の中でもTS11は相当柔軟に設定できるといえる。

文字入力も工夫

　TS11のかな漢字変換機能は，予測変換などの目立つ機能はないものの（6月9日の記事参照），十分な出来。連文節変換ができ，候補も一度に5つ表示される。変換候補表示時にはページスクロールも行えるなど，高速に入力できる。

　ただし，頻度学習の効果がかなり怪しいのと，連文節変換時に文節区切りの調節が分かりにくいのは改善点として挙げられるだろう。

　快適なのは，文字入力環境に工夫があるところだ。「大文字/小文字変換」ができる上，「逆循環」も可能。逆循環とは，通常「かきくけ」の順で文字が変わっていくが，1文字ずつ戻れる機能のこと。1文字押しすぎても，戻ることができるので快適に入力が可能。この両方の機能を備えている携帯電話は実はあまりない。

項目	大文字/小文字変換	逆循環
TS11	○	○
C413S	×	×
C451H	○	○
N503i	○	×
P503i	×	○
J-SH07	○	×

　惜しむらくは，英文字モード時には数字が循環で出てこないため，モードを切り替えなくてはならないこと。「D503i」などのように英字モード時にも「ABC2」といった順に入力できたり（3月19日の記事参照），J-SH07が備えているような「カナ数」機能があれば（5月24日の記事参照），メールアドレス入力時に便利だ。

　2バイト文字の入力時には「＊」ボタンを押すことで記号も，一覧から簡単に入力できる。さらにそこから絵文字の一覧を見ることも可能だ。

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