![]() モバイルコンテンツビジネスの方向性では,そのマーケティング連動型という新たな道を模索し始めたモバイルコンテンツビジネスは今後,どのような方向に向かおうとしているのか。それを知るための根底にあるのがまさしくモバイル時代におけるユーザーの価値観の変化である(9月18日の記事参照)。 モバイル時代のユーザーは,これまでのマス的な発想で発信される画一的なコンテンツを欲しているのではなく,シチュエーションや,帰属する集団によって再編集可能な,多様な価値観に基づくコンテンツを求めている。ユーザーの目的やシチュエーションによって,提供すべきコンテンの内容も大きく異なっていてよいのだ。 前図で取り上げた主要コンテンツプロバイダの中でも,その具体的なコンテンツ内容を個別に分析していくと,そのコンテンツ内容の軸が大きく異なっていることがよく分かる。
事例となるコンテンツプロバイダ数の多い,EC型とコミュニティ型の提供するサービスを具体的なコンテンツ内容で比較してみた形だが,重きを置くコンテンツの軸が,訴求型コンテンツと参加型コンテンツで,大きく異なることが実態として現れてきている。 既に買うものが決まっていて,行く店舗も決定していて,それをいかに効率的かつ安価に入手できるか,ということに重きを置くユーザーがメインのモバイルコンテンツと,興味はありながらもモバイルで手軽にコミュニティを楽しみながら実際に購入を決定していくコンテンツとでは,その軸が大きく異なるのは当然だ。 ユーザーの価値観とビジネスの方向性多様な方向性を持ち得るマーケティング連動型のモバイルコンテンツビジネスを,ユーザーの価値観軸でマトリクス的に分類すると,以下のようなタイプに分類される。いつでもどこでも携帯可能なモバイルだけに,ユーザーの移動フローに沿って与える価値観を臨機応変に変更できる,シチュエーション型のコンテンツビジネスが,今後拡大する可能性が高いといえるのかもしれない。
シンプルなコンテンツ課金型のコンテンツビジネスを突き進むのか,それともこのようなマーケティング連動型のコンテンツビジネスへの道を採択し,複合的な価値訴求を行っていくのかで,今後のモバイルビジネスの方向性は大きく異なってくるだろう。 このような変化の潮流が一般化してくる中で,最も避けなければならないのは,“座して待つ”ことなのかもしれない。 [イエルネット 杉村幸彦,ITmedia] 関連リンク 連載バックナンバー Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. ![]() モバイルショップ
FEED BACK |