KDDI、メール、WebもBREWベースへ〜高橋氏
KDDIは今後のau端末において、メールやWebなど携帯の基本アプリケーションもBREWアプリとして開発していく方針を明かした。端末の開発コストの低減や開発期間の短縮が図れる。
KDDIのコンテンツメディア本部長高橋誠執行役員は4月27日、「BREW JAPAN SEMINAR 2004」で講演し、今後、端末の全アプリケーションをBREWプラットフォーム上で開発していくことを明らかにした。
「端末に載せる機能が増えすぎている。(携帯キャリアが機能を)選ぶのにも困るし、特に開発にすごく困っている。BREWでプラットフォーム化して解決する」(高橋氏)
KDDIは既に一部機能のBREW化を始めている。FMラジオ機能搭載端末「A5503SA」では、チューナー制御ソフトをBREWアプリとして開発した(2003年9月24日の記事参照)。次機種以降のFMラジオ搭載端末では、新たにアプリを開発する必要がなく、同じBREWアプリを利用できる。
BREW開発元のクアルコムは早くから「BREWはOS」と訴えていた(2002年3月8日の記事参照)。携帯電話のアプリケーションが高度化するにしたがって開発の難易度が増しており、複数メーカーが同じアプリケーションを利用できるプラットフォームを作る構想は、ボーダフォンもJavaアプリ(現Vアプリ)導入時に持っていた。
1X WINのBREWからのデータ通信も“定額に”
2003年2月に1号機が登場したBREW端末は、3月末で9機種、323万台を数えるに至った。「あと1機種くらいはJavaの焼き直しの端末があるが、基本的にBREWだ」と、高橋氏。
KDDIは当初、他キャリア同様にJavaを携帯アプリケーションと位置づけていた。しかし、Java導入後約2年を経てBREWへと大きな方向転換を図った(1月30日の記事参照)。高橋氏はこの舵取りについて「いろいろな回り道をした。BREWほど、私がKDDIで苦労したことはない」と述懐する。
次のステップとして期待されるのは、BREWに対応した1X WIN端末だ。2003年11月に、パケット定額制を打ち出して話題になった1X WINは現在Javaのみに対応している(2003年10月22日の記事参照)。
「定額ではじめてBREWのアプリケーションが生きてくる。(BREWアプリからのパケット利用も)何とか定額の範疇に入れたい。これでEZのビジネスモデルが大きくステップアップする」(高橋氏)
BREWアプリの検証スピードアップ〜優良CP認定制度も
au端末のアプリケーションの主軸となっていくBREWだが、検証に時間がかかることは多くのコンテンツプロバイダから指摘されていた。
端末のネイティブ機能深くまでアクセスできるBREWは、仮想マシンを使うJavaとは違い、バグが致命的な被害をもたらす可能性がある。そのため、KDDIがアプリを検証してから公開するステップを踏んでいるが、機種ごとの差異が大きいことなどから当初の予想よりも検証に時間がかかってしまっていた。
高橋氏は「毎回問題のないコンテンツプロバイダの場合、検証項目を減らす“優良コンテンツプロバイダ制度”も導入する」と話し、検証速度アップを目指すとした。
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