携帯、300万画素の可能性(1/2 ページ)
カシオがデジカメのスペックに迫る、320万画素の1/1.8インチCCDを搭載した「A5406CA」を開発した。11万画素から急速に画素数を増やしてきた携帯のカメラが、320万画素で1つの頂点を迎える。携帯の高画素化はどこまで続くのだろうか、そして300万画素オーバーの意味はどこにあるのだろうか。
ついに携帯も300万画素オーバーの時代へ──。カシオ製のau端末「A5406CA」は、320万画素のCCDを搭載。画素数争いの先頭に躍り出た。
とはいえ、これは“300万画素オーバーへの一番乗り”というよりも、進化の一例として捉えるべきではないか。
画素数争いの時代は終わったのか?
“携帯電話ならではのカメラ”のあり方を考えた場合、100万〜130万画素がひとつの区切りになるのは間違いない。撮影した画像を、そのまま通信で送れるのがメガピクセルまでだからだ。
第3世代携帯電話といっても、メールに添付できる容量は100K〜200Kバイト程度。メガピクセル画像ならば、なんとかこの容量に収まるが、2Mピクセルの画像は難しい(4月12日の記事参照)。
では、200万画素オーバーのカメラで何をするのか。以前からいわれていたのが、印刷──デジカメの代替を目指すという流れだ。
プリンタと携帯を直結できる「PictBridge」対応のA5505SAや(5月21日の記事参照)、USB付きのクレードルによってPCへの画像転送を容易にした「A5403CA」「A5406CA」などは、印刷ニーズおよびデジカメ代わりに使われることを狙ったもの。
しかし、国内のデジカメ出荷台数は2004年も942万台、前年比111.6%と増加しており(カメラ映像機器工業会:CIPA発表資料より)、「カメラ付き携帯を持っていても、普段の撮影はデジカメ」だという調査結果もある(2003年6月27日の記事参照)。
携帯がデジカメに取って代わるには、1)画素向上 2)光学ズーム 3)フラッシュ搭載 が必要だと、多くの端末メーカーが指摘している。カシオが320万画素CCDを搭載し、シャープが光学2倍ズームレンズ、京セラがキセノンフラッシュと、要素部品は揃ってきた。
とはいえ、これらの部品を1つの機種にまとめられるかというと、それは簡単ではない。高機能カメラの搭載は、端末の製造コストアップを招くからだ。これを理由に「200万画素は市場のけん引役にならない」と指摘する声もある(2003年11月13日の記事参照)。同じメガピクセルでも、“画質は劣るが低価格”といわれるCMOSセンサを採用した端末も発表されるなど(5月17日の記事参照、5月10日の記事参照、5月13日の記事参照)、コスト面の問題は大きい。
もはや、数年前のように全端末がカメラ画素数を倍増させていく時代は終わったともいえるだろう。100万画素が1つのマイルストーンなのだ。
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11万画素から始まった携帯カメラは、31万、100万、200万と各機種が、ほぼ横並びで画素数を倍増させてきた。現在の携帯カメラの画素数を見ると、エントリーモデルがVGAクラス(31万画素)を搭載するのみで、ハイエンド端末はメガピクセル(100万画素)が基本だ。しかし、メガピクセルを境に、進化の方向性が多様化してきている。
機種 | 画素数 | 付加機能 |
---|---|---|
A5406CA | 320万画素 | オートフォーカス、USB対応クレードル |
F506i | 204万画素 | オートフォーカス |
V602SH | 202万画素 | オートフォーカス、光学2倍ズーム |
A5502K | 100万画素 | キセノンフラッシュ |
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300万画素カメラの可能性と狙い
では、携帯にデジカメのような画素数と機能は不要なのか?
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