縦位置動画が面白い、シャッター位置に課題〜「W21SA」:ケータイカメラ画質研究ラボ(4/4 ページ)
KDDIの「W21SA」は、三洋電機製端末として初の2メガピクセルオートフォーカス機構付きモデル。撮影画像の四隅が流れるなどの問題はあるが、画質面では基本的に素直な絵作りで色はいい。ただ、シャッターボタンの位置は好感が持てるものではない。
次は白熱灯下での撮影。
これも角度によって微妙に色が変わることがあった。気になる場合はホワイトバランスをマニュアルにしてセットするのがいいだろう。でも色のバランスはよく、リアルな発色は好感が持てる。悪くない出来だ。なお中央部はいいが周辺部の画質低下はやはり気になるところ。
ではロウソクをつけて部屋を暗くして撮影してみよう。
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暗くなると増感されるため、派手に偽色ノイズが乗っている。これは仕方がないところで、暗くてもこれだけ撮れるのだから悪くはない。ただ夜景モードではもう少し感度を落としてノイズも減らしてほしかった。またホワイトバランスが太陽光に固定されるようで、全体に赤みが強い絵になっている。
ライトをつけるとやや青みが強くなるが、それなりに写る。デフォルトではオートフラッシュで、撮影時だけライトが点灯する。ほかに強制発光や常時ライトオンのモードもあるが、写りはどれも同じと思っていい。
最後はマクロ。
オートフォーカスということもあり、かなり近くまで寄ることができ、ピントもしっかり合っている。これはなかなか便利だ。
実は充実した動画機能
それ以外ではシーンモードとして風景や人物、逆光モードが用意されている。屋外編で紹介したようなレッド、グリーン、ブルー、パープルと色調を固定したモノトーンも利用可能だ。
これはパープルで撮った猫である。
もうひとつ注目すべきは動画機能。動画モードは標準・高品質・長時間の3つに分かれているが、この「長時間」がクセモノ。さらにMサイズ、Lサイズ、QVGAサイズ(横)、QVGAサイズ(縦)の4つに分かれているのだ。
MサイズとLサイズでは3GPP形式(.3gp)、QVGAサイズでは3GPP2形式(.3g2)で記録される。どちらもMPEG-4だ。
QVGAサイズで秒15コマとなかなか本格的な動画が撮れる。さらに縦位置動画が撮れるのは面白い。たぶんこれがはじめてだろう。ケータイの画面で見たりPCで見るのなら縦位置でも何の問題もなく、しかも普通のビデオでは撮れないのでなかなか新鮮だ。画質もなかなかよく、ちょっと面白いので買った人は是非使ってみてほしい。
ちなみに、動画で聞こえるカチカチという音はズームボタンを押す音である。
静止画も縦位置と横位置を選べるともっと楽しいと思うのだが、さすがにその機能はないようだ。
画質面では基本的に素直な絵作りで色はいい。ざらつきや中央以外の画質が気になるが、ホワイトバランスや明るさを補正しながら使えばかなりイケそうだ。
終始気になったのが、シャッターとレンズの位置関係。両手で上下から挟むように持たないとダメというデザインはカメラ愛好者として納得がいかない点である。なぜシャッターが左側になければならなかったのだろう。とても謎である。
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