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毎月100万台出荷が目標〜スマートフォンに注力するNokia(1/2 ページ)

Nokiaがスマートフォン戦略に本腰を入れる。直近6カ月間では500万台を出荷、毎月100万台の出荷を目指す。オリラ会長が、マスユーザーと企業ユーザー獲得に向けた戦略を話した。

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 Nokiaは11月3日から2日間、年次プライベートカンファレンス「Nokia Mobility Conference 2004」を開催した(11月4日の記事参照)。今年のテーマは“スマート”。3Gの本格化とともに、携帯電話が真にパワフルなツールになっているという背景から選ばれたものだ。このところ好調さに陰りも見えるNokiaだが、なんとか上昇路線に転じたいという心理も見え隠れする。

 地中海を臨むイベント施設「Grimaldi Forum」が会場となった。毎年秋に開催される本イベントも今年で9年目を迎え、イベント名も「NMIC」(Nokia Mobile Internet Conference)から「Nokia Mobility Conferenc」に変更

 今回のイベントは、モバイルエンタープライズとマルチメディアの2つにフォーカスしている。

 4日、イベント会場「Grimaldi Forum」のメインホールに登場した同社CEO兼会長のヨルマ・オリラ氏は(6月15日の記事参照)、「モビリティは現実のものになった」と宣言。“Life goes mobile”というコンセプトを掲げてきた同社では、音声に代表される人対人のコミュニケーションツールから、生産性やパッションに結びつけるツールとしての携帯電話像を描いている。

 ヨルマ・オリラ会長兼CEO。90年代半ばに経営不振に陥っていたNokiaを立て直し、現在の礎を築いた人物

 生産性とは、モバイルエンタープライズといわれる企業分野への進出だ。数年前から掲げているテーマではあるが、厳しいIT投資環境が続いていることもあり、なかなか進んでいないのが現状。この日オリラ氏は、IBMと共同で(2003年2月の記事参照)製薬大手Pfizerのフィールド営業ソリューションとして同社の端末が試験導入されている例や、ヘルスケア業界の事例を紹介。営業ツールとして関心が高まっており、「最終的には全業種にニーズがある」と述べた。

 Gartnerは、2007年には企業アプリケーションの4割が何らかのモバイル要素を備えると予測。オリラ氏は、使いやすさやアプリケーションへのアクセスのしやすさが採用を加速すると見ている。

ラジオ、テレビを携帯に〜マスユーザー取り込みに向けて

 パッションとはマルチメディアのことを指す。オリラ氏は、デジカメなどのイメージングを始め、ゲーム、テレビ・ラジオ、音楽などのリッチアプリケーションをマス市場に提供するための取り組みを紹介した。

 イメージングでは、予想以上の成果を収めているという。2004年の単年で2億台のカメラ付き端末を出荷、その成功を「世界最大のデジカメ・メーカーになった」と表現。日本で火がついたカメラ付き携帯が欧州市場に登場し始めたのは2002年ごろ。「2年前には(今の人気は)想像できなかったが、今やカメラ付き携帯はメインストリームとなった」と話した。

 なお3日、プレス向けに開かれた発表会では、同社の取締役副社長兼マルチメディア事業部ジェネラル・マネージャーのアンシ・ヴァンヨキ氏が、来年には20機種以上のカメラ付き携帯を投入する計画を明らかにしている。

 モバイルテレビ分野では、会期中に発表したワイド画面端末「Nokia 7710」を用いて(11月3日の記事参照)、欧州の放送仕様DVB-HをIP上でやりとりするトライアルを実施している(11月4日の記事参照)。テレビはすでに広い視聴者ベースを持つことから、「モバイルテレビの可能性は大きい」とオリラ氏。同社は会期中、テレビ番組など容量の大きいコンテンツを、ネットワーク利用率の低い時間帯にダウンロードする技術「Media Charger」を発表するなど、モバイルテレビの普及に向けた足固めをしている。

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