毎月100万台出荷が目標〜スマートフォンに注力するNokia(2/2 ページ)
Nokiaがスマートフォン戦略に本腰を入れる。直近6カ月間では500万台を出荷、毎月100万台の出荷を目指す。オリラ会長が、マスユーザーと企業ユーザー獲得に向けた戦略を話した。
ラジオでは、Hewlett-Packardと共同で開発した「Visual Radio」のトライアルが終了。会期中に発表した2端末(Nokia 7710とNokia 3230)が初のサポート端末となった。今後もサポート端末を増やす計画だ(11月3日の記事参照)。
これらの構想を実現するプラットフォームとなるのが、スマートフォン。Nokiaは英Symbianを共同設立し、現在は最大株主となっている。Symbian OSのUIとして「Series 60」「Series 90」などを開発(2003年6月の記事参照)、中でもSeries 60は(8月26日の記事参照)唯一他社にライセンス供与しているUIで、戦略的な位置付けだとしている。
3日、Series 60のロードマップを明らかにした同社テクノロジーマーケティングおよびセールス担当副社長、アンティ・バサラ氏は、「Nokiaは現在世界スマートフォン市場で4割のシェアを持つ」と述べ、今後もSeries 60を軸に展開していくと話す。現在、Series 60のライセンシーはSamsungなど7ベンダー。18機種が投入されており、100以上のオペレータのネットワークで利用できる。Nokiaでは今年10月時点で、累計1500万台のSeries 60/Symbian OSベースのスマートフォンを出荷。直近6カ月間では500万台を出荷、「毎月100万台出荷する日も近い」とバサラ氏は自信を見せた。
今後Series 60は、ミッドレンジからハイエンドまで対応できるよう、各種無線通信技術や画面サイズ面の強化を図る。ペン入力のサポート、セキュリティ強化なども項目に挙がっている。「Series 60で、開発者はあらゆるフォームファクターの端末を開発できるようになる」(バサラ氏)。
同社は先月末、オペレーターと開発者向けのJavaベースのプラットフォーム「preminet」を発表しており(10月25日の記事参照)、オリラ会長は、Series 60とpreminetにより、「開発者とオペレータ向けがすぐにビジネスに結び付けられる土台を提供できる」と述べた。
Nokiaは第3四半期、売上増となったものの収益は減少した(7月16日の記事参照)。シェアは回復しつつあるようだが、第3位のSamsungが激しい追い上げを見せており、欧州ではSony Ericssonが「P900」で弾みをつけている(2003年10月の記事参照)。Nokiaは現在、信頼できるブランドの第8位(1位はCoca Cola、2位はMicrosoft、日本のトヨタは第9位)の位置につけており、コモディティ化した携帯電話市場において、ブランド力をさらに強化していく方針を明らかにしている。
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