aacPlusは、AAC(Advanced Audio Coding:用語参照)と、スウェーデンのコーディングテクノロジーが開発したSBR(Spectral Band Replication)技術を組み合わせた音声圧縮技術。ちなみに、よく知られているMP3とSBRを組み合わせた技術をmp3PROと呼ぶ。
aacPlusはMPEGにより標準化されており、MPEG-4 aacPlusのほか、MPEG-4 AAC Plus SBRと表記される場合がある。また、auの新サービス「着うたフル」に、MPEG-4のひとつであるHE-AAC(High Efficiency AAC)が採用されているが、これはaacPlusそのものだ。
SBRとは、高密度な圧縮によって欠落してしまう高周波成分を再構築するための技術で、従来の音声圧縮技術と組み合わせて利用する。つまり、低い周波数成分の記録はAACやMP3が担当し、低いビットレートでも高音質にするのがSBRの役割となる。
aacPlusを利用すると、従来のAACの約半分のファイルサイズで同等の音質を維持することができるため、インターネットやデジタル放送、モバイル分野で採用されている。また、携帯電話においては3GPP(用語参照)で標準規格とされた。
身近な例では。アップルコンピュータがQuickTimeやiPodで、aacPlusをサポートすることを表明したばかり。aacPlusでは、128Kbpsで5.1マルチチャンネルの音質、48KbpsでCD並みの音質、32Kbpsでステレオ音質の再現が可能となるので、ファイルサイズを節約したいモバイル製品にとっては貴重な存在となる。
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