携帯コンテンツ戦争──Flashが制する可能性は?(3/3 ページ)
電車のホームで時間をつぶしたい。多くの人は携帯を取り出すが、その画面にFlashコンテンツが映っている可能性は、どのくらいか?
Flash Castの強みは何なのか?
このあたりを、Macromediaの幹部がどう考えているのか。Flash Castにメインで取り組んでいるMobile and Deviceチームのユハ・クリステンセン氏に疑問をぶつけてみた。
同氏の答えは、「特に直接の競合はないと思っている」というものだ。Flash Castは“コンビネーションオブメニーシング”であり、いろいろなコンテンツを1つにまとめることができる。仮に「多くのものを1つにまとめなくていいという見方が存在するのなら――その考え方自体が“競合”になるのかもしれない」。そんなトリッキーな表現で、ユハ氏は筆者の質問をすりぬけた。
同氏はまた、Flash Castの「キラーアプリ」(キラーチャンネルというべきか)は何になると考えるかという問いにも、「1つのキラーは存在しない」と答える。利用者の関心に応じて、いかにバーティカルに掘り下げたものを提供できるか。それがポイントなのだという。
以上の答えにどれだけ納得できるかは微妙だ。ただし、以下のような点は素直に同意できた。いわく、Flash Castの強みはFlashならではの表現力にある。
実際に試したところでは、Flash Castのチャンネル切り替えは実に滑らかで、動きが軽い。十字キーの左を2回続けて押すと、ただちに画面が「グルリン」と変わって、2つ隣のチャンネルが表示されるといった具合だ。
世界各国に、Flashの開発者が多いこともMacromediaが頼みにするポイント。メーカー/キャリアによって実装状況が異なるような事態を避け、相互運用性を高められれば、多くのコンテンツが登場するだけの土壌はある。
改めて断っておくが、筆者はFlash Castをいたずらに否定したいわけではない。Flashベースのユーザーインタフェースは確かに魅力的で、「こんなサービスはちょっと面白そうだな」と思わせる。
だがその第一印象を、「これは面白い」という実感にいかにして変えるのか。その中身の部分をどう作りこむか、既存のサービスや将来的に携帯プラットフォームに参入してくるコンテンツにどれだけ対抗し、差別化できるか。その部分を、もう少し突っ込んで知りたいと思っている。
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