「W21T」「W22H」でAACエンコードの音楽が聴けた
冬WINの第1弾として登場した東芝製の「W21T」と日立製作所製の「W22H」。miniSDに入れたAACエンコードの楽曲を再生できるか試してみると……。
冬WINの先陣を切って登場した東芝製の「W21T」と日立製作所製の「W22H」。両端末とも着うたフルへの対応がポイントとなるが、音楽携帯だけにメモリに入れた音楽も聴けたら便利だ。miniSDに入れたAACエンコードの楽曲は再生できるのだろうか。
iTunesでAACエンコードした曲を聴ける〜「W21T」
結論からいえばPC側でAACエンコードした楽曲を簡単な手順で聴くことが可能だった。まず「W21T」だが、低ビットレートながら、iTunesでAACエンコードした楽曲を聴ける。
インポート形式をAAC、ビットレートを40Kbps以下に設定して書き出し、miniSDに入れればいい。高音質、高圧縮のAACとはいえ、40Kbpsでは音質がFMラジオ程度になってしまうが、簡易的な再生手段と考えればそれほど悪くない。
なお着うたフルは、aacPlus(HE-AAC)というコーデックを採用しており(用語参照)、従来のAACの約半分のファイルサイズで同等の音質を確保できる。48KbpsのビットレートでもiTunesでエンコードしたAACに比べてはるかに音質がいい。
音質にこだわるならQuickTimePro(有料、3780円)を使う手もある。「3GPP2(EZムービー形式)」で音声のみを書き出すと、ビットレート112Kbpsの音楽ファイルもW21Tで再生できた。ファイルサイズの制限がない点もうれしいポイントだ。
iTunesとQuickTimeProで再生可能なエンコード設定が異なるのは、W21Tで再生可能なAACファイルのサンプリングレートが24KHzまでに制限されているためと思われる。iTunesのAACエンコーダは、サンプリングレートが半ば自動設定で(設定項目はあるが、条件次第では、設定したサンプリングレートが無視される)、ビットレート40Kbpsまでがサンプリングレート24KHz以下に収まる。結果、ビットレートの上限が40Kbpsになるわけだ。
QuicktTimeProの場合、書き出しで「3GPP2(EZムービー)」を選ぶと、サンプリングレートは24KHzが上限になる。そのためビットレートが上限の112Kbpsでも「W21T」で問題なく再生できるのだ。
miniSDメモリカードへの書き込みも難しくない。miniSD内の「\private\au_inout\」フォルダに音楽ファイルをコピーし、W21Tで「SDカードメニュー」-「PCフォルダ」を選択して取り込めばいい。ファイル名がそのまま曲名として反映されるので、再生時にはどの曲を再生しているかも分かる。
プレイリストへの登録も行えるので、ちょっとしたシリコンオーディオプレーヤー代わりに使える。新曲は着うたフルで、CDを持っている曲はPCでリッピングして楽しむ──といった使い分けができるのは便利だ。着うたフルの楽曲と一緒にプレイリストに登録できるので、「お気に入りのアーティストのベストアルバムを手持ちのCDからつくっておいて、新曲が出たら“着うたフル”で新曲を追加」──といった使い方もできる。
ファイルサイズに注意、高音質再生も可能な「W22H」
W22Hで再生可能なAACファイルはW21Tとは異なる条件でエンコードしたものになる。W22Hでは1曲あたりのファイルサイズが1.5Mバイト以内に制限されており、これが一番大きな制限になる。例えば3分程度の曲なら64Kbps程度までビットレートを確保できるが、5〜6分といった長めの曲だと32Kbps程度しかビットレートが確保できない。
サンプリングレートの自由度はW22Hのほうが高い。すべての組み合わせを確認したわけではないが、QuickTimeProでビットレート64Kbps、サンプリングレート32KHzでエンコードしたAACファイルの再生が確認でき、音質も非常に良好だった。ファイルサイズには制限があるものの、ビットレートやサンプリングレートの自由度は高い。
W22HへのAACファイルの取り込みはそれほど難しくない。ただしプレイリストは使えず、AACファイルに埋め込まれた曲名表示も乱れてしまう場合があるようだ。
なおiTunesでエンコードしたAACファイルは再生できなかった。iTunesではファイル名がMPEG-4形式(拡張子は.m4a)になるのだが、W22Hはこのファイルを音楽ファイルとして認識せず、不明なファイルと認識するからだ。基本的にはQuickTimeProをエンコードに利用することになるだろう。
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