携帯はこうしてPCになっていく(3/3 ページ)
CPUは数百MHz、メモリは50Mバイト以上、そして各社が共通のOSを採用。PCのようなスペックアップとプラットフォームの共通化が携帯でも起きようとしている。
2005年の携帯はどうなるのか?
伊藤氏は、今後の携帯の進化のイメージをいくつか示した。
1つは放送との連動だ。KDDIは既にFMラジオチューナー内蔵の携帯電話を発売しており、そこでは放送局と連携して、ラジオ放送からWebへ誘導、有料コンテンツや物販へつなげるモデルを構築している(9月16日の記事参照)。
「FMケータイはテレビが載るときのための練習」だと伊藤氏は言い切る。2005年度中に開始するモバイル向け地上デジタル放送(1セグ放送)への対応について、三洋や日立の協力で研究開発中(7月22日の記事参照)。「1セグ放送の開始に合わせて(対応端末を)提供したい」と伊藤氏は、早期の端末投入に意欲を見せた。
2つ目は、Bluetoothと無線LANだ。KDDIは、非接触ICチップ/赤外線/Bluetooth(無線LAN)の3つを携帯の外部インタフェースとして位置づけており、伊藤氏は特にBluetoothと無線LANの活用に期待する。
「無線LANやBluetoothは、固定と携帯を結びつける手段の1つ。(無線LANなどを使って)携帯の電波が混んでいる時はDSLなどにトラフィックを逃がす、定額制の場合はトラフィックをDSLにバイパスする、こうしたことが考えられる」(伊藤氏)
同様の話はソフトバンクが、携帯事業参入時のサービスとして構想している(11月11日の記事参照)。伊藤氏は、無線LANを内蔵した端末は「来年くらいに出てくる」とも。
3つ目は、携帯内蔵アプリケーションのアップデート機能だ。これまで携帯に新機能を追加するときは新しい端末を作っていたが、「ソフトウェアをダウンロードすることで新機能を入れる。そういうことを考えている」(伊藤氏)。
ドコモはネットワークを通じてソフトウェアをアップデートする機能を提供しているが、現在のところバグ修正のみで機能追加は行っていない(2003年9月19日の記事参照)。KDDIはネットワークを通じたソフトウェアアップデートを2005年中に提供する予定(7月21日の記事参照)。また、BREWアプリケーションとして実装されている「EZナビウォーク」や「QRコードリーダー」などの機能は、現在でもソフトをダウンロードして機能を追加することが可能になっている。
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