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2007年は携帯用燃料電池 元年携帯向け燃料電池 現状と課題(4/5 ページ)

携帯電話用燃料電池の開発に目処がついてきた。複数の開発者が、規制緩和と機器側の電力要求から、2007年を実用化のターゲットとする。国際燃料電池展のセミナーを元に、燃料電池の仕組みを振り返りながら、現状と課題を探る。

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解決されつつあるDMFCの課題

 現在携帯用燃料電池(DMFC)の課題はどこにあるのだろうか。

 まずコストは、「見積もりをするとそんなに高くない。リチウムイオンと戦っていけるだろう」(NECの久保氏)と現状でも目処がついている。

 電解質膜が1円/cm2、触媒電極に使うカーボンナノホーンが500円/グラムで1ミリグラム/cm2、触媒となる白金が2000円/グラムで0.5ミリグラム/cm2。合計すると、約4円/cm2となる。携帯電話用なら10cm2で約40円、ノートPC向けなら200cm2で約800円という計算だ。

 ランニングコストも、メタノールは1リットル当たり40〜50円の安い。携帯用(10cc)で0.4〜0.5円、PC用(200cc)で8〜10円だとNECの久保氏。

 耐久性も「自動車や家庭用に比べるとかなり楽」だとNECの久保氏は話す。10年程度の耐久性が求められる自動車や家庭用に比べ、当面は1〜2年の保証でかまわない。携帯向けは耐久性向上よりも初期特性向上を目指すべきだとし、「5000〜1万時間が目安」だと話した。

 規制緩和のキモだった航空機内への持ち込みも目処がついている(12月2日の記事参照)。毒性もエタノール──いわゆるお酒と大きくは違わない。

燃料 メタノール エタノール ブタンガス 水素
沸点 65度 79度 0.5度 -253度
可燃性 高い 高い 非常に高い 極めて高い
爆発限界(Vol%) 6-35.6 3.3-19 1.8-8.4 4-76
空気中許容濃度 200ppm 1000ppm 800ppm
東芝の五戸氏が示したメタノールの可燃性、毒性についての比較表。許容濃度は労働安全衛生法による

 残る課題は2つ。出力密度向上エネルギー密度向上だ。

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